「ウーブン・シティと裾野市との関係はどうなるのか」「ウーブン・シティにはどんな人たちが住むのか」

 10月5日に静岡県裾野市が開催した街づくりの住民説明会。ゲストとして登壇したトヨタ自動車のジェームス・カフナー取締役と裾野市の高村謙二市長に、15人の住民代表が次々と質問を投げかけた。

 「重要なのは地元の地域社会と共存すること。これからも裾野の市民に協力していきたい。皆さんの意見に耳を傾け、一緒に対応したい」。カフナー氏はトヨタが建設を進める未来都市「ウーブン・シティ」について、地元と協調して進める姿勢を強調した。

2021年夏の東富士工場跡地の様子。ウーブン・シティの建設に向けて工場の取り壊しや造成工事が進む
2021年夏の東富士工場跡地の様子。ウーブン・シティの建設に向けて工場の取り壊しや造成工事が進む

 ウーブン・シティは、約70ヘクタールの工場跡地に2000人程度が暮らす街を整備し、実際の生活の中で自動運転車やパーソナルモビリティー、ロボットや人工知能(AI)などの新技術を試す“実証都市”をつくる構想だ。2020年1月に米国ラスベガスで開催された「CES 2020」でその概要を明らかにして以降、国内外から関心を集めてきた。もちろん、地域住民にとっても注目のプロジェクトであることは間違いない。

 ウーブン・シティについて、地元でオープンな説明会が開かれたのは初めて。21年6月から市が開催するワークショップにトヨタグループの社員が参加し、数回にわたり住民と街づくりについて議論してきたが、ウーブン・シティに関する情報は限定的だった。今回の説明会でも「計画についての情報が少なすぎる」との意見が上がり、一部の住民からは「『天空の城』にならないか不安だ」といった声も聞こえていた(関連記事:トヨタ「ウーブン・シティ」に不安の声も 鍵は住民との融和に)。

 説明会でトヨタが繰り返し述べたのが、地元と一緒にウーブン・シティをつくり上げるという方針だ。カフナー氏は最寄り駅であるJR御殿場線岩波駅の周辺整備に協力し、自動運転車やパーソナルモビリティーを導入する構想を披露。「岩波駅を重要な交通結節点とし、裾野市やその周辺地域をウーブン・シティと融合したいと思っている」とコメントした。

住民説明会に参加したトヨタ自動車のジェームス・カフナー取締役
住民説明会に参加したトヨタ自動車のジェームス・カフナー取締役

 「地元住民や高齢者にとって住みにくい街にならないのか」との質問には、「高齢者も住民の候補として考えている。地元と一緒に課題を特定し、新しいテクノロジーを活用して一緒に解決していきたい」(カフナー氏)と答え、新たに開発する技術やサービスを地域に展開していく考えも示した。

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