トヨタ自動車が最高益を更新し、日産自動車が黒字転換を果たした2021年4~6月期決算。コロナ禍の影響が大きかった前年から急回復したが、半導体不足や変異ウイルスの問題が影を落とす。消費者が欲しくても買えない状況が続く中、新しい利用形態がさらに広がりそうだ。

「米国を中心に市場環境が好転している。販売の質の向上や財務基盤の改善を着実に進められた」。日産自動車の内田誠社長兼最高経営責任者は7月28日に開いた決算会見でこう述べ、低迷からの脱却を印象づけた。
2021年4~6月期の純利益は1145億円。2856億円の赤字だった前年同期から黒字転換を果たした。けん引するのはワクチン接種が進んだ米国や中国だ。米国ではSUV(多目的スポーツ車)、中国ではセダンが好調だった。市場環境を良好とみる日産は22年3月期通期の業績見通しを上方修正。最終損益は当初予想の600億円の赤字から600億円の黒字に引き上げた。
21年1~6月期の世界販売台数で過去最高を記録したトヨタ自動車の好調ぶりも目立つ。4~6月期は北米やアジアを中心とする販売台数の増加やコロナ禍を経た収益体質の強化などで純利益が8978億円と前年同期比5.7倍に拡大。4~6月期として過去最高を記録した。ホンダも販売台数の増加などで四輪事業の利益率が上昇し、21年4~6月期の最終損益が黒字に転換した。
ただ、こうした自動車各社の好調に、半導体をはじめとする部品の供給不足が影を落とす。
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