中古車相場が急騰するなか、不透明だった流通過程にDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せている。自動車関連サイトを運営するMOTA(モータ、東京・港)は、オンラインで個人間売買を仲介する事業に乗り出し、中古車流通の変革に挑む。

 千葉県野田市にある国内最大級の中古車オークション会場――。広大な土地には車がずらりと並ぶ。中古車バイヤーが実車を確認し、競りに参加する場所だが、あるバイヤーは「最近は人気車種の競りがどんどん激しくなっている」とぼやく。

 半導体不足や中国・上海のロックダウンによるサプライチェーンの混乱で、自動車の供給不足が長期化。新車の納入が遅れる中、取引が活発になっているのが中古車だ。オークション運営最大手のユー・エス・エス(USS)によると、6月の平均落札価格は約107万9000円と前年同月比で26%伸びた。2020年6月から前年実績を上回り続けており、過去最高価格を更新した。

納車遅れで中古車争奪

 円安効果で日本車が比較的安く買えるようになり、海外のニーズが高まっていることも争奪戦を激しくする。トヨタ自動車が7月1日に現行モデルの受注停止を発表し、海外でも人気の多目的スポーツ車(SUV)の「ランドクルーザー」は、中古車価格の比較サイトで一部モデルに1000万円超の値が付き、新車の販売価格を上回る事態だ。

 一方で相場の急騰は、消費者のデメリットが大きくなる。「そもそも中古車市場は複雑で、価格がどう形成されるかわかりにくい」。MOTAの佐藤大輔社長は指摘する。中古車は一般的に、個人から買い取った業者がオークションに出品し、落札した販売店を経て新たなユーザーに渡る。中間業者が多く、マージンに加えて業者間取引ごとに車両を運搬する物流費も上乗せされる。このため、消費者への販売価格は平時から高額になりやすかった。

「モータ・ダイレクト」での車両掲載イメージ
「モータ・ダイレクト」での車両掲載イメージ

 そうした中で注目を集めているのが、オンラインで売り手と買い手をマッチングし、流通の中間コストを極力排した個人間取引だ。

 

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ウェビナー開催、「なぜ世界はEVを選ぶのか」(全2回)

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 9月30日(金)19時からの第1回のテーマは「2035年、世界の新車6割がEVに 日本が『後進国』にならない条件」。10月14日(金)19時からの第2回のテーマは「欧州電池スタートアップのCTOが現地報告、巨大市場争奪の最前線」です。各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。


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