ホンダは6月24日、主力車種「CIVIC(シビック)」の新型車を公開した。ターゲットユーザーは1990年代半ば以降に生まれた「Z世代」。開発責任者の佐藤洋介チーフエンジニアは「本質を見極め、自分らしさを表現するものにお金をかけるのがZ世代」と分析し、シビックの「上質さ」が彼らへのアピールポイントになると自信を見せる。

72年の初代発売から半世紀近く販売を続けてきたシビック。今回は4年ぶりのフルモデルチェンジとなる。製品開発を効率化する設計手法「ホンダアーキテクチャー」を用いて開発した初めてのクルマで、日本で発売されるのは5ドアのハッチバックタイプだ。既に先行して発表されていた北米ではセダンタイプの発売も予定しており、いずれも2021年秋に出荷を開始する。
若者のクルマ離れが叫ばれて久しいなか、Z世代をターゲットユーザーとして設定するのは一見ミスマッチのようにも思える。ところが、現行モデルである10代目シビックの購入者年代分布を見てみると、「40~50代」と「20代」の2つに購入者が集中する山があるという。現行モデルの販売価格は約300万円弱と極端に低価格なわけではない。それでも20代の購入者が全体の2割ほどを占めている。デザインや質感を重視して購入する若い世代がシビックを選ぶようになったことに注目して開発を進めた。
車体側面のキャラクターラインといった外観デザインはもちろん、運転席からの広く水平な視界など、ターゲット層に響くよう「ムダをそぎ落とし、本質的な運転の心地よさに訴えるデザインを考えた」(本田技術研究所の浅野一麿デザイナー)。インテリアでは様々なスイッチやシートなどの部品について、それぞれの役割に合った質感と形状を追求したという。スイッチを操作したときの感触や音にもこだわった。

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