ヤマハ発動機は6月28日、スクーター「NMAX ABS」の2021年モデルを日本で発売する。排気量が125cc以下の「原付二種」に該当する車種で、同社の国内モデルとして初めてスマホ連携機能を備えたのが特徴だ。「2030年までにすべての製品をコネクトする」。こうした目標を掲げるヤマハ発動機の狙いはどこにあるのか。

ヤマハ発動機が発売するスクーター「NMAX ABS」の2021年モデル

 ヤマハ発動機が「つながる」スクーターとして発売するNMAX ABSは、同社が提供するスマホアプリ「Y-Connect」と通信する機能を備える。エンジンの回転数やスロットルの開度などを表示する画面にして車両のメーターを拡張するのにスマホを使ったり、スマホの着信や通知を車両側のメーターで知らせたりできる。走行距離や経過日に基づいてアプリがエンジンオイルの交換を推奨したりもする。

 ヤマハ発動機はインドネシアでY-Connect対応のNMAX ABSを発売済み。Y-Connectの利用者数については非公表とするが、「NMAX ABSの購入理由としてコネクト機能を挙げる顧客は多い」と、ランドモビリティ事業本部MC事業部グローバルブランディング統括部主務の山田宗幸氏は語る。

 「2030年までにすべての製品をコネクトする」。ヤマハ発動機は2020年8月、「コネクテッドビジョン2030」という目標を打ち出した。主力の二輪車のほか、ボート用船外機、電動アシスト自転車などすべての製品に通信機能を持たせて顧客とつながり、顧客に新しい価値を提供する狙いだ。

 「IoT(モノのインターネット)」と呼ばれる、こうした考え方自体は特に目新しいものではない。「うまくいっているIoTの事例が少ないこともよく分かっている」と山田氏は現状を分析する。それでもNMAX ABSを皮切りにヤマハ発動機が「コネクト」を強力に推進する理由はどこにあるのか。

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