日産自動車は5月28日、2023年度までの新たな4カ年計画を発表した。元会長のカルロス・ゴーン氏が1999年に打ち出した「日産リバイバルプラン(NRP)」を思い起こさせるような大規模な構造改革になる。閉鎖方針を示したスペインの工場ではさっそく激しい抗議が起きるなど前途は多難だが、内田誠CEO(最高経営責任者)は拡大路線を突き進んだ「過去との決別」に強い意志で臨む考えだ。

構造改革プランを発表した日産自動車の内田誠CEO(中央)
構造改革プランを発表した日産自動車の内田誠CEO(中央)

 「失敗を認め、正しい方向に向かうことが欠かせない」──。

 28日、構造改革計画を発表した日産の内田誠CEOはこう宣言した。新型コロナウイルスの問題が本格化する前から始まっていた販売不振により、同日発表した19年度の最終損益は6712億円の赤字。これは、ゴーン元会長が日産再建を主導し始めた1999年度と同レベルの赤字額だ。

 発表した構造改革プランの骨子は、スペインやインドネシアの工場閉鎖を通じた生産能力の縮小や車種数の削減など。事業規模を「身の丈」にあわせようというものだ。18年度に約720万台だった世界の生産能力を2割減の約540万台に縮小し、車種数も23年度までに69から55へ減らす計画だ。固定費を下げ、車種を絞ることで23年度には売上高営業利益率5%の確保を狙う。19年7月にも生産能力を1割減らすなどの構造改革プランを公表していたが、新型コロナの影響が色濃くなったこともあって一段と踏み込んだ内容となった。

 こうした「削減」や「縮小」といった施策は、ゴーン元会長が1999年に打ち出しその後のV字回復につなげたNRPとも共通する。当時の日産は6.6%だった世界シェアが4.8%まで低下し、有利子負債は2兆円まで膨らんでいた。無駄を絞りきり、適切な規模に収めなければ破綻は避けられなかった。

 NRPでは、大胆かつ明確な数値目標を設定して注目を集めた。日産系列のサプライヤー数を1145社から600社に減らし、村山工場や日産車体の京都工場などの閉鎖を決め、世界で約2万1000人の人員を削減するなど目標を掲げた。黒字化や利益率、有利子負債削減などの目標について、ゴーン氏は「1つでも未達成なら経営陣全員が辞任する」と宣言して背水の陣を敷き、負債を大幅に圧縮。その後は北米や新興国を中心に生産拠点を拡充し、規模を拡大し続けた。

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