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 米レンタカー大手のハーツが5月22日、経営破綻した。100年以上続く老舗企業だが、新型コロナウイルス感染拡大による利用者の急減により経営危機に陥っていた。ハーツは祖業であるレンタカービジネスで拡大路線を敷いたことで、急激に訪れたデジタルの波に逆らえなかった。

 空港などでその黄色い看板を目にしたり、サービスを利用したりしたことのある読者も多いだろう。「Hertz」ブランドを展開するレンタカー大手の米ハーツ・グローバル・ホールディングスは5月22日、米国の裁判所に対し米連邦破産法11条の適用を申請した。事実上、経営破綻したこととなる。

 新型コロナウイルスの感染拡大によりビジネス客や旅行客が減り、需要が大幅に減少。2019年1~3月期に79%だったレンタカーの稼働率は、20年1~3月期には67%に落ち込んでいた。

レンタカーの代表的なブランドだったが、ハーツの資金繰りは苦しかった(写真:AP/アフロ)

 1918年に米フォード・モーターのセールスマンが立ち上げたハーツは米国のレンタカービジネスの最大手。フランチャイズを含めれば日本をはじめ世界約1万カ所の営業拠点を持ち、空港でのレンタカービジネスを中核に成長してきた。

 新型コロナによる影響が経営破綻の引き金となったものの、以前から経営不振に陥っていた。同社の19年の最終損益は5800万ドル(約62億円)と2期連続の赤字。過去の業績開示が確認できる14年3月末時点から20年3月末時点を見てみると、フリーキャッシュフローは一度も黒字になったことがない。過度な投資が重なり資金繰りが苦しくなっていた。