物流スタートアップHacobu(ハコブ、東京・港)は4月、豊田通商や野村不動産グループのベンチャーファンドなどから第三者割当を通じて約9億4000万円の資金を調達したと発表した。豊田通商と野村不動産とは業務提携契約も結んだ。日野自動車やアスクル、三井不動産など多くの大手企業と提携関係にあるハコブ。豊田通商との提携で目指すのは、自動車分野の物流に向けたサービスへの本格的な参入だ。

ドライバー不足に待機時間の長さ、トラックの積載率の低さ。物流分野に課題は多い(写真:PIXTA)
ドライバー不足に待機時間の長さ、トラックの積載率の低さ。物流分野に課題は多い(写真:PIXTA)

 ハコブは、トラックの入荷や配送情報を管理する企業間物流管理システムを手掛ける。荷主や配送業者、トラックのドライバーなどを識別して管理しており、ドライバーが倉庫内のスペースを予約したり、配送業者がトラックの位置情報を確認したりできる。配送計画に対する想定外の遅延を自動で伝えたり、トラックの位置情報から自動で納品を認識したりする機能も備える。既に17万人の運転手がトラックの予約受付サービスを使っているほか、5月には丸和運輸機関が新型コロナウイルスのワクチンを運ぶ車両の管理に採用することが決まった。

 国土交通省によれば、トラックの積載率は平均約40%、ドライバーの1運行当たりの待ち時間は平均1時間45分。トラックの荷台のうち半分以上は空で運ばれ、ドライバーは荷物の積み下ろしの前に映画1本分の時間を待たされているわけだ。ハコブはこうした問題の解消につなげるべく、飲料・食品など業種の垣根を超えて共同物流ができる仕組みづくりを目指してきた。

<span class="fontBold">Hacobu(ハコブ)の佐々木太郎社長</span><br> アクセンチュア、博報堂コンサルティングを経て米国留学。「グロッシーボックスジャパン」や「FRESCA」などを創業し、2015年にハコブを設立。
Hacobu(ハコブ)の佐々木太郎社長
アクセンチュア、博報堂コンサルティングを経て米国留学。「グロッシーボックスジャパン」や「FRESCA」などを創業し、2015年にハコブを設立。

 新たに資本業務提携を結んだ豊田通商は、自動車分野の物流に強みを持つ。ハコブの佐々木太郎社長は「ようやく自動車業界に足を踏み出す準備が整った。豊田通商から自動車物流のノウハウを学び、デジタルツールやデータでどのように課題を解決できるか提案したい」と話す。

 自動車業界で掲げられる「ジャスト・イン・タイム(JIT)」。完成車メーカーやティア1に位置する大手部品メーカーなどが目指す「必要なものを必要なときに」という理想の背後には、部品を運ぶ多数のトラックが納品先の工場付近で待機している現実がある。その結果、ドライバーの拘束時間が長くなり、部品のコストの上昇を招く場合もある。

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