保有する独ダイムラー株を全て売却すると発表した日産自動車。ゴーン体制下で結んだ資本・業務提携を縮小し、電気自動車(EV)の強化などに資金を振り向ける。ただし、日産が先導してきたはずのEV市場は完全なレッドオーシャンと化している。

日産は2021年4月の上海モーターショーで戦略車種の新型「エクストレイル」を発表。中国市場での成否が日産の命運を握る(写真:AP/アフロ)

 日産自動車が元会長のカルロス・ゴーン被告が残したレガシー(遺産)の清算を進めている。

 5月5日、日産は保有するダイムラー株を全て売却すると発表。日産とアライアンスを組む仏ルノーは3月にダイムラー株を売却済みだ。なお、ダイムラーは保有する日産・ルノー株の扱いについて意向を示していない。

「規模を追求した提携」

 日産・ルノーがダイムラーと資本・業務提携を交わしたのは2010年にさかのぼる。それぞれがダイムラーの発行済み株式の約1.5%を取得。ダイムラーも日産とルノーに3.1%ずつ出資した。

 ダイムラーのディーター・ツェッチェ元社長と、ルノーと日産のトップを兼任していたゴーン被告との個人的な関係が礎となった。世界販売台数で独フォルクスワーゲン(VW)やトヨタ自動車に肩を並べるために、「独仏2社の主導で、規模を追求した提携」(業界関係者)との見方が強かった。

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