世界では内燃機関への包囲網が広がっている。米ワシントン州議会は4月15日、乗用車の新車の販売・登録を、30年以降は動力が電気モーターのみの車両に限る法案を可決した。

 トヨタもEVの市場投入のギアを一段引き上げた。19日に開幕した上海国際自動車ショーで、SUBARUと開発した新EVシリーズ「TOYOTA bZ」を発表。従来は4車種だったEVを25年までに15車種へと大きく広げる。

上海国際自動車ショーでトヨタが初披露した新EV「bZ4X」
上海国際自動車ショーでトヨタが初披露した新EV「bZ4X」

 菅首相は22日、30年度に日本の温暖化ガス排出量を13年度比で46%削減すると表明。従来目標の同26%減から大幅に引き上げた。ただし、19年度実績は同14%減にとどまる。「英断だが、残り10年でどうやって積み上げるのか」と有識者も首をかしげるほど高い目標の下、主要排出源である自動車の産業界はあらゆる手を尽くさなければならない状況に追い込まれている。

 「自動車産業を脱炭素政策のペースメーカーにしてほしい」。豊田会長は会見でそう繰り返した。気候変動を巡る国際情勢や市場の急激な変化に自動車産業の裾野が取り残されており、基幹産業のピラミッドが崩壊すれば日本経済が危機に陥ると警告する。

 欧・米・中の自動車メーカーに加え、米アップルや中国・華為技術(ファーウェイ)などの新規参入組がEVで攻勢をかける。国境を越えて新旧勢が入り乱れる「100年に1度の大変革」の中、盟主トヨタは「全方位」の戦いに突き進む。CO2排出量の削減に貢献してきたHVを支える自社や部品メーカーの付加価値や雇用を守りつつ、炭素中立に向けた構造転換も急がなくてはならない。豊田会長の焦燥はしばらく続きそうだ。

この記事はシリーズ「クルマ大転換 CASE時代の新秩序」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

ウェビナー開催 西口一希氏とミスミに学ぶ 会社を成長させる「顧客理解」

 これまで約40社の経営を支援してきたStrategy Partners代表の西口一希氏。「成長の壁」に悩む多くの経営者に対して「企業の成長に伴い、顧客よりも財務の数字や組織運営に関心を向けてしまう問題」の大きさを指摘してきました。
 日経ビジネスLIVEでは、成長の壁に悩む経営者や事業責任者、さらに現場で取り組む層に向け、西口氏が『顧客起点の経営』について語るウェビナーを2週連続で開催します。ぜひご参加ください。


■第1回:2022年7月5日(火)19:00~20:00(予定)
■テーマ:なぜ企業の成長は止まるのか? すべてのカギを握る顧客理解
■講師:『顧客起点の経営』著者・Strategy Partners代表 西口一希氏

■第2回:2022年7月12日(火)19:00~20:00(予定)
■テーマ:顧客を分析、ニーズに対応して急成長 ミスミ「meviy(メビ―)」事業に学ぶ
■講師:西口一希氏、ミスミグループ本社 常務執行役員meviy事業担当・ID企業体社長 吉田光伸氏

■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料(事前登録制、先着順)。

>>詳細・申し込みはリンク先の記事をご覧ください。