トヨタ自動車は4月8日、自動運転の「レベル2」に該当する高度運転支援システム「アドバンスドドライブ」を搭載した乗用車を発売すると発表した。レクサス・ブランドのセダンである新型「LS」と燃料電池車(FCV)の新型「ミライ」で、このシステムを載せたモデルを販売する。搭載モデルは価格が50万円ほど上がる。

 アドバンスドドライブでは、高速道路や自動車専用道路で交通状況をシステムが判断。走行や車線変更といった運転を支援する。トヨタはこれまでも衝突回避や車間維持走行などの先進運転支援システムを搭載してきたが、初めて手放しで運転できるハンズフリー機能を載せた。

ハンズフリーの運転支援機能が搭載される新型「レクサスLS」(左)と新型「ミライ」
ハンズフリーの運転支援機能が搭載される新型「レクサスLS」(左)と新型「ミライ」

 自動運転は5段階に分類される。運転支援(レベル1)、高度な運転支援(レベル2)、高速道路など特定条件の下での自動運転(レベル3)、特定条件の下での完全自動運転(レベル4)、完全な自動運転(レベル5)の5つだ。トヨタの新システムはレベル2に当たる。

 アクセルやブレーキ、ステアリングの操作をする必要がないレベル2の運転支援システムは、日産自動車やホンダ、SUBARUなど各社が市販車に搭載している。3月5日にはホンダが世界初のレベル3のシステムを搭載した高級セダン「レジェンド」を発売した(関連記事:自動運転で世界初「レベル3」 ホンダ・レジェンドに乗ってみた)。

 ホンダがレベル3の自動運転機能として搭載した「トラフィックジャムパイロット」では、高速道路で時速30キロメートル以下の渋滞時に限って、人の代わりにシステムが運転する。自動運転中はドライバーが進行方向を注視しなくてもよいため、カーナビの画面などを見たり、景色を眺めたりできる。一方レベル2では、人が運転の主体であるため、手放し運転中でもドライバーが常に進行方向に注意を払う必要がある。

システムが交通状況を判断し、ドライバーに追い越しや車線変更を提案・支援する
システムが交通状況を判断し、ドライバーに追い越しや車線変更を提案・支援する

「レベル論争」に距離

 最大手のトヨタが満を持して発表した新システムがレベル2である点について、発表会見に臨んだ前田昌彦最高技術責任者(CTO)は「レベル競争よりも、安心を本当に感じてもらえるかが重要」と淡々と語った。新技術をいち早く市場投入したいホンダと、普及に耐える完成度を追求するトヨタ。両社の哲学の違いが端的に表れた。

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