ロシアによるウクライナ侵攻が、相場の上昇が続いていた日本の中古車市場に冷水を浴びせた。過去最高を記録した2月から一転、対ロシア輸出が急減した3月の平均取引価格は大きく下落した。中古車価格の下支えや引き上げに取り組んできた自動車メーカーにとっても気掛かりな事態だ。

 「価格が下がる要因が見つからず、先月まではどこまで上がるのかと思っていた。ここまで激しい価格の変動は過去に経験がない」──。ある中古車ディーラーの役員は、最近の中古車市場の値動きについて驚きを隠せない。

ロシア極東ウラジオストクの中古車売り場に並ぶ日本車(2021年2月、写真:共同通信)
ロシア極東ウラジオストクの中古車売り場に並ぶ日本車(2021年2月、写真:共同通信)

 中古車競売大手ユー・エス・エス(USS)では、2月の中古車の平均落札価格が1台当たり100万6000円と過去最高値を記録した。背景には、世界的な半導体不足によって新車の減産が長引いていることがある。

 生産が需要回復に追いつかず、発注しても納期が何カ月も先となることが常態化。そうした中、あふれた需要が中古車市場を潤してきた。都内に住むある20代の女性は「欲しい車種が手に入るまでの納期が長く、中古車を選んだ」と話す。

 海外向け輸出も堅調で、このまま値上がりが続くともみられていた。状況を一変させたのが、2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻だ。侵攻後の物流の混乱やロシアに対する金融制裁で代金を決済できなくなる不安などから、ロシア向け輸出に急ブレーキがかかった。

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