ホンダは3月5日、世界で初めてレベル3の自動運転機能を搭載した新型車「レジェンド」を発売した。レベル2とレベル3を隔てる大きな違いは、運転の主体が誰になるかだ。レベル2では人が主体だが、レベル3ではシステムが主体となって運転する。道路交通法上、レベル2では運転中にスマホやテレビを見ることはできないが、レベル3では「ながらスマホ」も可能ということになる。

 自動運転技術の開発に携わった本田技術研究所エグゼクティブチーフエンジニアの杉本洋一氏は「安全性や信頼性に対して愚直に取り組み、時間を費やした」と自信を見せる。23日、報道機関向けに開かれた試乗会で、その乗り心地や安全性を体験した。

世界初の自動運転レベル3の量産車「レジェンド」

 これまでも日産自動車の「プロパイロット2.0」など、レベル2の運転支援技術を搭載した車では一定条件下での手放し運転が可能だったが、ドライバーが常に前方を見る責任があった。今回レベル3の自動運転技術として搭載された「トラフィックジャムパイロット」と呼ばれる渋滞時での運転機能では、高速道路で時速30キロメートル以下の渋滞時、人に代わってシステムが運転をするため、ドライバーは前方に注意を払う必要はない。

ハンドルから手を離し、アクセルやブレーキなどの運転操作もしていない。前方から目を離し、カーナビの映像を見続けることもできる。

 システムを作動させるためには、まずは「ハンズオフ」の状態で走行する必要がある。ハンドル右側のスイッチで運転支援機能をオンにし、一定の条件を満たすと、ディスプレーの表示が水色に切り替わりハンドルから手を離せる状態になる。

 この状態で渋滞に遭遇すると、ディスプレーに「渋滞運転機能になりました」と表示され、これといった変化もなく運転がシステムに切り替わる。道路情報が表示されていたカーナビの画面は映像に切り替わり、映像や窓の外の景色を眺め続けていても、問題なく車は走り続けた。

 慣れないうちは、ハンドルから手を離したり前方から目をそらしたりすることに抵抗があり、ついついブレーキを踏んだりハンドルを握ったりしてしまう。このような人による運転操作が行われると、ハンズオフ機能や渋滞運転機能は解除され、再びドライバーによる運転に切り替わる。

 この仕様はサイバーセキュリティ対策とも関連する。仮に自動運転のシステムがハッキングされた場合でも、ハンドルを握ればドライバーの操作が優先されるため暴走を防ぐことができるという。

ハンズオフモードは、慣れると楽に感じられる。
続きを読む 2/2 後ろから緊急車両、どうする?

この記事はシリーズ「クルマ大転換 CASE時代の新秩序」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。