100年に1度とされる変革期を迎えた自動車業界が人材難にあえいでいる。急激に押し寄せたソフトウエア化の波に対応できる技術者が足りないのだ。ソフト開発の壁をどう乗り越えるか、各社にとって避けては通れない難題だ。

■掲載予定 ※内容は予告なく変更する場合があります
(1)風雲児テスラ、ソフトを主役に 「進化する車」で自動車業界揺さぶる
(2)ソニー・ホンダEV連合の衝撃 脱・車の発想でテスラ、アップルに対抗
(3)トヨタ、VWが開発急ぐ車載OS ソフトを制する者が「未来の車」制す
(4)自動運転技術で争奪戦 トヨタ・VWはM&A、グーグルも勢力拡大
(5)ファーウェイ、エピック…… ソフト化する車に商機、異業種群がる
(6)「iPhoneの頭脳の16倍」も 車載半導体、高性能化で火花
(7)巨大ソフト開発に人材難の壁 日産はインドの巨人とタッグ
(8)シンガポール丸ごとデジタル化 未来の車が社会課題解決担う

 全長50センチメートルほどの車の模型が床に張られた金属線をなぞるように、時速1キロメートルのペースで自動走行する。人工知能(AI)の開発に向くプログラミング言語「MATLAB(マットラブ)」などを研修生が学び、模型の頭脳に当たるソフトウエアを作る。

 ここは日産自動車が2017年に立ち上げた「日産ソフトウエアトレーニングセンター」。技術者はソフトの知識を4カ月がかりでたたき込まれ、最終的には量産車向けのソフトウエア開発に取り組む。

 「ソフトを作り、すぐにデモ機を走らせられる。大学院の時よりも勉強はハードだが、開発の一連のプロセスを知れるのは魅力的」。入社2年目で研修に参加したパワートレイン・EV制御技術開発部の髙橋壮太氏は話す。参加者には20代や30代の技術者が多く、エンジン制御、先進運転支援システム(ADAS)からモータースポーツまで出身部署は多彩だ。

入社2年目で日産のソフト技術の研修に参加した髙橋氏。プログラムの内容を「魅力的」と語る(写真:中山博敬)
入社2年目で日産のソフト技術の研修に参加した髙橋氏。プログラムの内容を「魅力的」と語る(写真:中山博敬)

 これまでメカニックを中心とした自動車開発の世界では分野ごとに部署が分かれ、技術者はその中で専門性を磨いてきた。一方、ソフトは技術進歩が速く、技術者一人ひとりの専門分野を越えた知識も必要になる。同センターの設立に携わった日産の豊増俊一フェローは、「ソフトとハードは双子のようなもの。両方の知識がなければ、将来の自動車を開発できない」と話す。

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