自動車の競争力を決める価値の軸がハードからソフトへと移る中、大きなニュースが飛び込んできた。ソニーグループとホンダが組み、未来の車を生み出す──。おとぎ話のような提携が、現実のものとなって動き出した。ソフト主導の車づくりで先行する米テスラや、車参入が取り沙汰される仮想ライバル、米アップルに対抗する。

■掲載予定 ※内容は予告なく変更する場合があります
(1)風雲児テスラ、ソフトを主役に 「進化する車」で自動車業界揺さぶる
(2)ソニー・ホンダEV連合の衝撃 脱・車の発想でテスラ、アップルに対抗
(3)トヨタ、VWが開発急ぐ車載OS ソフトを制する者が「未来の車」制す
(4)トヨタ、VW、グーグルが勢力競う 車載ソフトで技術争奪
(5)ファーウェイ、エピック…… 未来カーに異業種が群がる
(6)巨大ソフト開発に人材難の壁 日産はインドの巨人とタッグ
(7)「iPhoneの頭脳の16倍」も 車載半導体、高性能化で火花
(8)シンガポール丸ごとデジタル化 未来の車が社会課題解決担う

 戦後生まれの日本企業を代表する2社が手を組み、未来のモビリティーを創造する新たな競争に挑む。

 「(モビリティーの)革新の担い手は必ずしも自動車メーカーではなく、新たな担い手や新興企業に移行しているように見える」――。4日、ソニーグループとホンダが開いた共同会見で、ホンダの三部敏宏社長はこう発言した。

 IT(情報技術)大手やスタートアップなど新興プレーヤーたちが相次いで参入し、地殻変動が起きている自動車業界。変革をリードする存在となるには、自動車メーカーの従来の発想からいち早く脱する必要がある。そんなホンダの目の前に現れたのが、モビリティーに対して野心的な思いを持っていたソニーだった。

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