世界の産業界を直撃している半導体不足。その影響はエレクトロニクスだけでなく、日本の基幹産業である自動車にも爪痕を残している。

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 国内の自動車大手の中でも大きな影響を受けているのがホンダだ。2月9日、半導体不足の影響を受け、2020年度の通期販売台数見通しを10万台引き下げ、 前期比6.1%減の450万台とすると発表した。国内では軽自動車「Nシリーズ」、北米では「アコード」など販売台数の大きい車種への影響が避けられず、減産や生産機種の入れ替えを進めていた。決算説明会で倉石誠司副社長は「半導体影響が無ければ、コロナの影響を吸収して昨年度を上回る見通しの報告ができていた」とコメント。「2次サプライヤーや3次サプライヤーが同じ半導体メーカーから買っていたこともあり、予測できなかった」と奥歯をかんだ。

 半導体不足を受け、21年3月期の業績を下方修正したのが、SUBARU(スバル)だ。当初、売上高にあたる売上収益について前年同期比12%減2兆9500億円を計画していたが、同15%減の2兆8500億円へと引き下げた。

 2月5日に開いた決算会見で、岡田稔明CFO(最高財務責任者)は「(多目的スポーツ車など)中から大型の車種が多く、電子制御を多く使い、部品も共通化している。そのため、半導体不足の影響を受けやすかった」と述べた。今後の対応について、「対策が非常に難しい。どのくらい在庫を持つのがいいのかしっかり考えないといけない」と話した。

トヨタ自動車では半導体不足による生産への影響が相対的に小さかった(写真:AP/アフロ)

復活目指す日産にも打撃

 スバルは米国販売が堅調なことから20年11月に業績見通しの上方修正を発表するなど、いちはやく復調の兆しを見せていた。だが今回の下方修正では業績に加え、生産台数も引き下げる。生産台数は前期比2割減の82万3400台と従来予想から約5万8000台減る。そのうち、半導体不足による生産減は4万8000台分となる見込みだ。米国や中国を中心に需要は回復傾向にあっただけに、半導体不足が水を差した格好だ。

 業績悪化からの回復を目指す日産自動車にとっても、半導体不足は想定外だった。9日に発表した通期見通しでは、連結最終損益が5300億円の赤字となるものの、半期決算時点の予想から赤字幅が850億円圧縮。だが、通期販売台数の見通しを半期決算時点から3.6%引き下げ401万5000台にとどめた。半導体不足と新型コロナウイルスの影響を合わせて、従来予想より15万台減少する影響を織り込んだ。

 内田誠・社長兼CEO(最高経営責任者)は「半導体不足の影響を最小限に抑える対策や収益性の改善に注力していく」と強調したが、新型車の積極投入や販売の「量より質」への転換など、改革が一定の成果を見せていただけに、痛打となった。

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