三菱自動車は2022年度初めにも、軽自動車タイプの電気自動車(EV)を発売する。政府による購入補助金を使って実質価格を200万円に抑える。25年ごろには主要メーカーの軽EVが出そろう見込み。取り回しのしやすさや維持費の安さを強みに普及し、国内で販売される新車の約4割を占める「国民車」となった軽自動車でもEVシフトの号砲が鳴る。

 三菱自は1月半ばに開かれた自動車展示会「東京オートサロン2022」で、軽EVのコンセプトカー「K-EV concept X Style」を発表した。三菱自に約34%出資する日産自動車と、三菱自の共同出資会社NMKV(東京・港)が企画を担当。三菱自の水島製作所(岡山県倉敷市)で生産する。

三菱自動車が「東京オートサロン2022」で公開した新型軽EVのコンセプト車。購入補助金を使った実質価格を200万円に抑えて発売する
三菱自動車が「東京オートサロン2022」で公開した新型軽EVのコンセプト車。購入補助金を使った実質価格を200万円に抑えて発売する

 三菱自は09年から21年3月末まで、世界初の量産EVをうたった小型車「アイ・ミーブ」を生産していたが、デビュー以来の累計販売台数は2万4000台にとどまった。その生産終了から1年を経て、三菱自は軽EVに挑戦することになる。

 時代を先取りしながらも販売が振るわなかったアイ・ミーブの轍(てつ)を踏まず、軽EV市場を切り開けるだろうか。

 三菱自の加藤隆雄社長兼CEO(最高経営責任者)は「軽自動車は車体も軽く、使われ方も街乗りが多い。そのため電池も少なくてすみ、価格も抑えられる」と話し、日本独自の車両規格である軽自動車とEVの組み合わせに合理性があると指摘する。

 日本自動車販売協会連合会(自販連)などの新車販売統計によると、21年1~12月に国内で売れた新車は約445万台。その37%に当たる約165万台を軽自動車が占めた。この分野で消費者がEVシフトを受け入れるかどうかは、日本の自動車市場全体のEVシフトの行方も左右する。

三菱自が2009年に発売した小型EV「アイ・ミーブ」。世界初の量産EVをうたったが、累計販売台数は2万4000台にとどまった(写真:共同通信)
三菱自が2009年に発売した小型EV「アイ・ミーブ」。世界初の量産EVをうたったが、累計販売台数は2万4000台にとどまった(写真:共同通信)

 アイ・ミーブで悔しい思いをした三菱自にとって、新型軽EVで軽自動車のEVシフトの道を切り開くことは悲願といってもいい。そのために実質価格を200万円に抑えることは譲れないポイントだった。

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