マツダがモーターとエンジンをともに搭載するプラグインハイブリッド車(PHV)の品ぞろえを拡大している。自動車業界にはPHVを飛び越して電気自動車(EV)シフトを進める動きもあるが、「全方位」路線にこだわる。世界での販売規模が約122万台(2022年度見通し)と決して大きくないマツダは、どんな勝機を見いだしているのか。

 11年ぶりにロータリー復活──。往年の車ファンは心躍ったに違いない。マツダは1月13日、多目的スポーツ車(SUV)「MX-30」にロータリーエンジンを発電機として搭載するPHVモデルを加えると発表した。まず欧州で2023年春に販売開始予定で、日本でも売り出す方針だ。

 ロータリーエンジンはおむすび型のローター(回転子)がぐるぐる回り、動力を生む構造。1967年にマツダが世界で初めて量産に成功し、同社の技術力を示す看板技術として多くの車ファンの記憶に焼き付いた。ピストンを用いる一般的なレシプロエンジンに比べてコンパクトで高出力といった特徴がある。

マツダが約11年ぶりに自動車に搭載するロータリーエンジン。一般的なレシプロエンジンとは構造が全く異なる
マツダが約11年ぶりに自動車に搭載するロータリーエンジン。一般的なレシプロエンジンとは構造が全く異なる

 しかし燃費が悪いなどの課題を抱え、生産台数は徐々に減っていった。マツダは12年6月、ロータリーエンジンで走るスポーツ車「RX-8」の生産を停止。これを最後にロータリーエンジン搭載車はマツダのラインアップから姿を消していた。MX-30では役割が発電機へと変わるが、約11年ぶりの復活となる。

 PHVとロータリーエンジンの相性はいい。エンジンが小さいため、その分、高出力のモーターを搭載できる。ガソリンを燃料にロータリーエンジンで発電することによって総航続距離は計算上700キロメートル以上に達する。街乗りだけでなく、長距離ドライブにも対応できる。

「EVは嫌だという消費者もいる」

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