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新型コロナウイルスの影響が宿泊業界を覆っている。都市部や主要駅前などに約150店舗展開し、ビジネスパーソンの支持を得て成長してきたスーパーホテルも例外ではない。業界でいち早く自動チェックイン機を導入するなどITを活用して生産性を高め、団体客に頼らないホテル経営を進めてきたが、移動が制限されるコロナ渦にあっては、そうした対策も効力を発揮しがたい。この危機をどう乗り越えるのか。山本梁介会長に聞いた。

スーパーホテルの山本梁介会長。慶應義塾大学経済学部卒業後、繊維・化学品の専門商社に勤務。退社後、不動産事業に従事し、シングルマンションの管理・運営などを手掛ける。1989年にスーパーホテルを設立。96年にスーパーホテルの1号店を福岡に開業し、150店規模にまで広げた。

新型コロナウイルスはホテル業界に大きな影響を与えています。スーパーホテルの経営状況はどうでしょうか。

山本梁介・スーパーホテル会長:1月末の春節の頃から海外からの日本への渡航が少しずつストップしてきました。ただ、私どものホテルは以前から、旅行会社経由のお客さんや20人以上の団体のお客さんは遠慮してもらっていたので、それほどの影響はなかったんです。2月は「少し宿泊単価が下がったかな」という程度で、そこまで売り上げに響きませんでした。

 2月の終わりごろから3月にかけて特に都心部でバタバタとイベントや会合などがなくなり、宿泊にも大量のキャンセルが出てきました。そこから右肩下がりに落ちていって、非常事態宣言もあり、4月はどん底です。4月の売り上げは例年の3分の1くらいになりそうです。

 東京、大阪などで10店舗ほどのホテルを休業しています。稼働率が落ちてきたので休業して、近隣の店舗に集約しました。

影響はどのくらい続きそうですか。

山本氏:リーマン・ショックのときは、売り上げが戻ってくるのに半年かかりました。今回はリーマンのときのようにはいかないだろうと思います。ウイルスを封じ込めようとすると経済も規制されます。ウイルスと経済の綱引きです。国内が元の状態に戻るのは1年半後くらいでしょう。ワクチンや治療薬が開発されれば解決するかもしれませんが、そうでなければそれくらいはかかりそうです。

 インバウンドが戻ってくるのはさらに先で、3年くらいかかるでしょう。我々は、悲観的に考えて楽観的に行動するというのを一つのポリシーにしているので、そういうふうに見ています。

 ただ、バブル崩壊のときのほうが、経営者としては倍くらいのショックがありました。あのときは金融機関をはじめ、各機能が痛んだわけですから。今はたしかに先が見えず不安ではありますが、金融機能はありますから、新型コロナが収束すれば早く回復するのではないかと思います。