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 東京都は7日、新型コロナウイルスの軽症、無症状の感染者11人を「東横イン東京駅新大橋前」(東京・中央)に移送した。同ホテルの客室数は208室で、最終的に100人程度まで受け入れる。病床を重症者に優先的に割り当てるため、症状の軽い人には病院外に移ってもらう方針。アパホテルも患者の受け入れを表明しており、ホテルへの移送が順次進む予定だ。これまでは軽症の感染者であっても入院勧告の対象だったが、今後は宿泊施設などで療養してもらう考えだ。

 罹患者のホテルでの生活はどんなものなのだろうか。ホテル行きと自宅療養との間のボーダーラインや、ホテル内での感染対策、費用は誰が負担するのかといった疑問を、厚生労働省や東京都の方針、東横インでの実際のオペレーションを基にまとめた。

「東横イン東京駅新大橋前」では軽症、無症状の患者100名程度を受け入れる(7日、東京・中央)

1)ホテル療養の対象となるのは?
 厚労省によると、ホテルなど宿泊施設や自宅で療養できるのは、無症状および軽症者で、以下の①~④のいずれにも該当しない人だ。
①高齢者
②基礎疾患がある
③免疫抑制状態である(免疫抑制剤や抗がん剤を用いている)
④妊娠している

 さらにその中でも、「高齢者などと同居している場合、その高齢者が重症化しないよう、同居者には優先的に宿泊施設に入ってもらう」(厚労省担当者)。仕事上、高齢者らと接触する医療従事者や福祉・介護職員などと同居している人も優先される。

 東京都の場合、入院後、医師の判断の下で軽症者または無症状の人はホテルに移送する方針だ。ホテルに移送されるには「24時間、37.5度以上の発熱がなく、呼吸器症状が改善している」といった条件もつく。

2)ホテルまでの移動手段は?
 民間救急車の他に、宿泊施設の協力を得た上でバスやレンタカーなどを活用する方針だ。東横インでは、民間救急車を使用し、運転手は防護服を着用した。患者らは数人ずつ乗車した模様だ。

3)健康状態は誰がチェックするの?症状が悪化したら?
 厚労省の担当者によると、「看護師または保健師を日中は常駐させる。夜間はオンコール(緊急時のために時間外も待機すること)での対応も可能」だという。医師は日中、夜間ともにオンコールで対応し、必要に応じて薬剤師も確保する。ただし、これもケースバイケースで、自治体によってはこれ以上の対応をするところもある。東横イン東京駅新大橋前では、看護師が24時間体制で常駐し、日中は医師も対応する。

 患者の健康状態は、看護師または保健師が1日1回は電話などで確認する。患者は1日2回検温し、看護師・保健師に報告する。発熱時には、ただちに報告してもらうようにする。自治体は搬送の段取りや搬送先について、あらかじめ調整しておく。

4)ゾーニングはできる?
 感染拡大防止には、ウイルスによって汚染された区域とそれ以外を明確に分けることが欠かせない。「患者は汚染区域にとどまり、スタッフは極力、清潔な区域内で活動する。スタッフが汚染区域に入る際は、必要な防護具を装着した上で活動する」(厚労省)。

 東横イン東京駅新大橋前では、12階建てのうち4階以上を患者用とした。医療従事者や都の職員は2階で待機する。使用するエレベーターなどを分けて、接触しないようにしている。