坂巻氏:旅行会社はGoToトラベル停止に伴う取り消し料を、宿泊事業者、交通事業者、観光施設などに公平に配分します。お客様への返金やそれぞれの事業者への配分にかかる時間や労力、振込手数料などで、旅行会社は実質赤字になってしまいます。そのための支援と理解しています。

 ただ、Go Toなどの支援に頼ってばかりいてはダメ。今後何ができるかを旅行業としても考えないといけません。コロナ禍ではこれまで、自分たちがいかに生き残るかという側面が強かったのですが、いかに次につなげるかが重要になってきています。

 また、GoToによって、安く旅行ができるということをお客様に印象付けてはいけないと感じています。Go Toを利用した旅行の8割は1泊の旅行です。補助が出るから、安く行けるから、という理由で行っているのではないかと案じています。GoTo終了後、旅行をしてもらえなくなれば業界にとって大きなマイナスです。

どう「突出する」かが非常に大事

Go To終了後に向けて、何をすべきなのでしょうか。

坂巻氏:差別化がより重要になってきます。今までのように総合旅行会社がいいという時代ではなくなってきて、どう「突出する」かが非常に大事になってきます。例えば、山登りだったらどこの会社にも負けないとか、そういうものが必要です。

 地域の方々も一緒です。金太郎飴みたいな旅館やホテルばかりだと生き残るのは難しい。山の中でもマグロの刺し身を出すような旅館ばかりだったら、差別化できないですよね。自分たちの地域はどのようにしてお客様を喜ばせてあげられるかを考えるべきです。地域によっていろいろなものが違えば、お客様はいろんなところに行ってみたくなる。

京都に行っても浅草に行っても、主要な観光地は似たり寄ったりな印象があります。なぜ金太郎あめのようになってしまったのでしょうか。

坂巻氏:旅行会社にも責任があると感じています。「今年はディズニーランド35周年だから、ディズニーランドのツアーを組むぞ」「北陸新幹線が開業したから、今度は金沢だ」と、全然バラバラなことをやっています。地域の方々は、自分たちの地域を旅行商品の中に入れてほしくて、まねするんですよ。いろんなところのいいところを一生懸命取り上げる。最終的に、同じようになってしまうのです。

団体旅行や、インバウンドが活況だった頃はそれでも旅行者は来てくれたが、コロナ禍で見直しを迫られている。

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