1口10万円前後の少額から非上場企業に投資できる「株式投資型クラウドファンディング(CF)」が拡大する兆しが見えてきた。新型コロナウイルスの影響でベンチャーキャピタル(VC)などプロ投資家の出資意欲が減退する中、スタートアップがアマチュア(一般)投資家からの資金調達に活路を見いだしている。
4月5日、Minoru(ミノル、東京・渋谷)は株式投資型CFサイト「ファンディーノ」で投資家165人から約2800万円を集めた。募集開始から2時間40分の出来事だった。
ミノルが手掛けるのは、銀行に住宅ローンを断られることが多いフリーランス労働者向けの譲渡型賃貸住宅サービス。入居希望者はスマートフォンで家を建てたいエリア、内装、間取りなどを選び、新築戸建ての建築を注文する。普通の住宅と異なるのは、物件の所有権が不動産投資家にあること。入居者は毎月家賃を支払い続け、払い終わると投資家から土地と建物を譲り受ける仕組みだ。働き方改革で増えるフリーランスの住宅需要に応える狙いがある。
ミノルの森裕嗣社長は「全国に当社のファンをつくりたくてCFを選んだ」と話す。ビジネスの性質上、不動産投資家の関心を高める必要があったからだ。プロ投資家であるVCからお金と助言を得るよりも、サービスの知名度や会社の応援者を増やすことを優先して成長のきっかけをつかもうと考えた。
同じくファンディーノを活用したドーナッツロボティクス(東京・港)は5月17日、募集開始からわずか37分で2800万円を集めた。
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