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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、スタートアップの約4割が半年以内で運転資金不足に陥る恐れがあることが、スタートアップ支援を手掛けるデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS、東京・千代田)の調査で分かった。事業の停滞に加え、投資家の出資意欲が低下。さらに中小企業の資金繰り支援制度でスタートアップが事実上対象外になっていることが原因だ。DTVSの斎藤祐馬社長に対策を聞いた。

斎藤祐馬(さいとう・ゆうま)氏
1983年生まれ。2010年よりスタートアップ支援のトーマツ ベンチャーサポート(現デロイト トーマツ ベンチャーサポート)の立ち上げに参画。スタートアップ関連政策の立案や、大企業の新規事業の創出支援などを手掛ける。19年から現職。公認会計士。

新型コロナウイルスのスタートアップ企業への影響について教えてください。

斎藤祐馬・デロイト トーマツ ベンチャーサポート社長(以下、斎藤氏):ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家などから出資を受けた設立10年以内のスタートアップ374社にアンケート調査を実施したところ、約8割が新型コロナで事業に悪影響が出ていると回答しました。

 68%は「資金の確保」を強く懸念しており、5月以降に確保しているランウエー(活動資金)は「6カ月未満」が42%を占めました。つまり、秋ごろまでに4割のスタートアップが倒産の危機を迎えることになります。このため、スタートアップに特化した支援政策の創設を国に求めています。

VCなど投資家たちではスタートアップを支えきれないのでしょうか。

斎藤氏:スタートアップに投資するVCやCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)133社に2020年の投資額について尋ねたところ、86%が昨年比で投資額が減りそうだと回答しました。特に24%は「50%未満」と回答しています。

 スタートアップは投資家から、短くて半年、長くて1年半程度、経営が続けられる資金を集めます。新型コロナの感染拡大が深刻化した2~3月以降、スタートアップの資金調達が難しくなり、手元資金が目減りしています。

 ITバブルやリーマン・ショック直後もVCの投資額は世界で20%以上減っており、回復には1年以上の時間がかかりました。スタートアップには政策的な支援が必要です。

20年の投資予想額を19年比で減らすVCやCVCが86%に上った(出所:デロイト トーマツ ベンチャーサポート)