東京都内では4度目の緊急事態宣言による時短営業や酒類提供の停止に耐えかねた飲食店が、通常営業を再開する動きも広がっている。大手の外食チェーンでは店舗を休業する企業がある一方、要請に応じず通常営業を続けるグローバルダイニングは2021年1~6月期の売上高が前年同期と比べ倍増に近い47億円となった。業界内で対応が分かれている。

 「ルールを守らない飲食店こそ、時短営業・酒類提供停止を延々と長引かせる要因だ」。こう語るのは「紅虎餃子房」などを運営する際コーポレーション(東京・目黒)の中島武会長兼社長。現状の問題点と、同社がコロナ後を見据えた業態としてウナギ店を選んだ理由を聞いた。

<span class="fontBold">中島武(なかじま・たけし)氏</span><br>際コーポレーション代表取締役会長兼社長。1948年福岡県生まれ。拓殖大学商学部卒。物流、金融会社での勤務や衣料品輸入会社の経営などを経て、90年に際コーポレーションを設立。「鉄鍋餃子」のブームを生んだ「紅虎餃子房」などの中華業態を中心に約300の飲食店を運営しているほか、家具、古美術品などの物販、2005年にはホテル運営にも参入した。
中島武(なかじま・たけし)氏
際コーポレーション代表取締役会長兼社長。1948年福岡県生まれ。拓殖大学商学部卒。物流、金融会社での勤務や衣料品輸入会社の経営などを経て、90年に際コーポレーションを設立。「鉄鍋餃子」のブームを生んだ「紅虎餃子房」などの中華業態を中心に約300の飲食店を運営しているほか、家具、古美術品などの物販、2005年にはホテル運営にも参入した。

飲食店は1年半にわたって通常の営業ができない状態が続いていますが、新型コロナウイルスの感染拡大は悪化の一途をたどっています。

中島武氏(以下、中島氏):緊急事態宣言下であってもこれだけ感染者が増えているのは、その効果がなくなっているということではないですか。これまでは飲食店も時短要請に応じることで、人流という名のバルブを調整することができていたが、今はそれができていないということでしょう。

 そもそも緊急事態宣言下の地域のすべての飲食店が時短に応じていれば、「東京五輪を自宅で観戦しよう」という風潮になるはず。特に都内で感染者が増えているのは、街中の飲食店が時短営業や酒類提供の停止要請に応じなくなったことが大きいのでしょう。8割くらいのお店が酒を出すようになっているというのが私の実感です。当社の店舗でも、例えば恵比寿(東京・渋谷)の店舗だと、1日に30人くらいのお客さんが「お酒は出していないのか」と聞いてくるそうです。

「これ以上、時短や酒類提供の停止に応じれば事業が継続できない」という飲食店も多そうですが。

中島氏:そんなことはないでしょう。表では「大変だ、大変だ」と言いながら、裏では新規出店を進めている飲食店がどれほど多いことか……。

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