長引くコロナ禍で苦境にあえぐ都市部の高級レストラン・宴会場から生まれたバーチャル宴会。オンラインの仮想空間に社員がアバターとなって「出勤」する仮想オフィスのサービスをバーチャル宴会場として転用した事業で、現実の宴会が自粛となるなか、ニーズが高まりつつある。コロナ後も需要が完全には戻り切らない「7割経済」を見据え、外食業界は変革の時を迎えている。大打撃を受けた業態はどこへ向かうのか。銀座クルーズ(東京・豊島)の三溝順弘社長に聞いた。

<span class="fontBold">三溝順弘(さみぞ・ゆきひろ)氏</span><br>銀座クルーズ代表取締役社長。1961年長野県松本市生まれ。成城大学法学部卒。「ジョン万次郎」などを展開していた居酒屋チェーン・栄太郎(2003年に大庄と合併)の常務などを経て、95年より銀座クルーズ代表取締役社長。
三溝順弘(さみぞ・ゆきひろ)氏
銀座クルーズ代表取締役社長。1961年長野県松本市生まれ。成城大学法学部卒。「ジョン万次郎」などを展開していた居酒屋チェーン・栄太郎(2003年に大庄と合併)の常務などを経て、95年より銀座クルーズ代表取締役社長。

コロナ禍によって外食業界が通常通りの営業ができなくなってから1年以上がたちました。中でも、宴会場や高級レストランへの影響は甚大だと思いますが、足元の状況はいかがでしょうか。

三溝順弘氏:当社は2020年12月までは東京都心や横浜に「クルーズ・クルーズ」や「星のなる木」などのブランドを8店舗、2200席で展開していました。しかし、コロナ禍が長引いたことで複数の店舗の整理を余儀なくされ、現在では原宿や銀座の店舗を閉店。6店舗1000席程度にまで事業規模を縮小させています。従業員も125人いた正社員を90人にするなど、人員の削減にまで踏み切らざるを得ないほどで、甚大なダメージを受けました。

銀座クルーズは宴会事業が大きな収益源だったと思いますが、「自粛」が長引く中でやはり需要は消滅してしまったのでしょうか。

三溝氏:都内の大手企業などを中心にコロナ前までは80人前後の大型宴会やパーティーの需要も高く、売上高38億円(20年3月期)のうちの65%は宴会事業が占めていました。しかし、2020年度は宴会事業の売上高が9割以上減って、文字通り「蒸発」してしまったのです。その結果、「芸能人の宴会の聖地」のような存在だった原宿の「ベニーレ・ベニーレ」は新宿への移転を余儀なくされ、銀座の店舗は閉店となりました。25年かけて拡大してきた事業構造の練り直しを迫られる事態になったのです。

銀座クルーズが池袋で運営する「サンシャイン クルーズ・クルーズ」。営業時間や酒類提供が制限され、ディナー・宴会を主体とする業態はいまだに大きな打撃を受け続けている
銀座クルーズが池袋で運営する「サンシャイン クルーズ・クルーズ」。営業時間や酒類提供が制限され、ディナー・宴会を主体とする業態はいまだに大きな打撃を受け続けている
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