「いきなり!ステーキ」などステーキ店を運営するペッパーフードサービスは7月3日、主力業態の1つである「ペッパーランチ」を投資ファンドのJ-STAR(東京・千代田)に売却すると発表した。売却額は85億円。一瀬邦夫社長はこれを機にキッチンカーといった新業態で巻き返したい考え。だが調達資金は不採算店の閉鎖や借入金の返済に充てることになる。経営再建に向けた原資としては、十分な額とは言えない。

いきなり!は直営店100店舗前後が閉店となる。写真は6月に閉店した都内の店舗

 ひとまず事態の悪化を食い止めたとは言えるだろう。ペッパーフードの2019年12月期の最終損益は27億円の赤字。赤字は2期連続で、自己資本比率は2%にまで低下していた。有価証券報告書には「継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン)」まで記載された。店舗当たり売上高が落ち込む中でコロナ禍が追い打ちをかけていた。

 厳しい経営が続く中、高い収益性を保ち、再建に向けた中核となるはずだったペッパーランチ事業の売却にカジを切った。6月1日にペッパーランチ事業を分社。同日に原料の肉の仕入れ先であるエスフーズの村上真之助社長から20億円を借り入れると発表した。個人からの借り入れに加え、返済期日は7月末という異例の事態に業界では「7月下旬に資金繰りの峠を迎えるのだろう」との噂も飛び交った。

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