負のイメージは和らげた
このため20年12月に制度を大きく改変した。ランクアップ制度をグラム累積方式から、半年ごとの来店回数によってランクが上下する方式に変更。来店頻度がランク規定の回数に満たない場合、ランクダウンするようにした。誕生月のステーキのプレゼントも、500円クーポンと来店10回ごとのステーキ券のプレゼントに変更した。
コアないきなり!ファンはこれに激怒。Twitterなどで常連客とみられる人々から「さよなら。いきなり!ステーキ」「ランクアップのためにどれだけ投資したと思っているのか」などと批判の声が続出した。コロナ禍の客離れに拍車をかけた印象を強め、メルカリでは多くのマイレージカードが転売される光景が見られた。
「多くのお客様からご不満の声をいただき、ランクダウン廃止も含め改善する」と社内報などで言及していたペッパーフードの一瀬邦夫社長は結局、新システムの発足から半年足らずで、プラチナとダイヤモンドについてグラム数での昇級を復活させ、ランクダウンしないという仕組みに戻した。
SNS上では、「ランクダウンにおびえずダイヤモンドランクが目指せる」「改良されたからまた20㎏を目指そう」といった好意的な受け止めがみられる。一方で「一度離れた顧客が戻ってくるかは謎」「プラチナランク未満には全くメリットがない。迷走している」といった声も出ている。
マイレージの再改定により、常連客のひんしゅくを買っているという負のイメージを和らげているが、プラチナ以上のランカーは1527万人中の9万人で会員全体の0.6%ほど。集客を上向かせる決め手とまでは言えない。20年12月にはランチタイムのライス・サラダサービスも取りやめ、「割高感がある」との印象も与えてしまっている。サービスに充てる原資が限られるなかで、足が遠のいたライトユーザーを取り戻すという本来の課題に手が付けられていない。
有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。
※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。
※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。
この記事はシリーズ「外食ウオーズ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?