新型コロナウイルス第6波に伴う「まん延防止等重点措置」が3月21日に全面解除されてから1か月余りが過ぎた。客足がコロナ前の水準に戻るにはまだ時間がかかるとみられ、居酒屋業態などはいまだに苦戦を強いられている。そんな中、海鮮居酒屋の磯丸水産などを運営するSFPホールディングス(HD)は都心を中心に「ネオ大衆酒場」の展開を本格化させる考えを明らかにしている。佐藤誠社長は「チェーン店っぽさのない、お客さんが『自分のお店』と感じられるような店舗を都心で出店していく」と語る。

佐藤誠(さとう・まこと)氏
佐藤誠(さとう・まこと)氏
1963年生まれの神奈川県出身。85年国士舘大学体育学部卒。86年、銀座レストラン高松入社。88年、旧サムカワフードプランニング(現SFPホールディングス)に入社し、2003年に取締役営業本部長。11年、取締役常務執行役員を経て13年から現職。

SFPホールディングスの2022年2月期の売上高は104億円、営業損失は79億円、経常利益は22億円でした。改めてこの業績についてどのように受け止めていますか。

佐藤誠氏(以下、佐藤氏):売上高に関しては想定よりも悪い結果となりましたね。やはり、まん延防止等重点措置などで通常営業のできない時期が長すぎました。こんなに長い期間、営業できないとは想定していませんでしたから、結果的に売上高に関しては落ちてしまった。

 22年の既存店売上高はコロナ前(2019年)と比べて平均70%程度で落ち着くのではないかと思います。21年の11月、12月はそれぞれコロナ前と比べて既存店の売上高が67~68%で推移しましたが、この2か月は単月で営業黒字を達成できました。22年4月もそれに近い状態で推移しています。

都心では小型の大衆酒場を増やす

磯丸水産について、これまでは1都3県への出店が中心だったそうですが、22年以降は東北など地方都市への出店を加速させると明言しています。

佐藤氏:コロナ前から、地方都市に出店攻勢をかけることは掲げていたのですが、コロナ禍で一時中断してしまったのです。地方都市であっても立地によっては東京の店舗と遜色ない売り上げが出せるということは分かっていました。

磯丸水産以外では1都3県を中心に小型店舗の「ネオ大衆酒場」業態の展開を推し進めるとしています。そもそもネオ大衆酒場の「ネオ」とは、何が新しいのでしょうか。

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