3月29日に焼き肉業態「焼肉の和民」の新戦略を発表した居酒屋大手のワタミ。食品や外食の値上げが相次ぐ中、主力メニューの値下げを断行し、「全品390円(税抜き)以下」という安さを前面に押し出す戦略で再挑戦する。焼き肉業態に参入してから1年半、戦略転換を迫られた理由とは。

「全品390円(税込み429円)以下」の安さを前面に押し出す戦略に転換する
「全品390円(税込み429円)以下」の安さを前面に押し出す戦略に転換する

 「値上げをすれば客離れ。価格を守ってもお客さんは戻らない。座して死を待つことはせず、値下げを決定した」

 3月29日に焼き肉業態「焼肉の和民」のリニューアルを発表した居酒屋大手、ワタミの渡邉美樹会長兼社長は、背水の陣に臨むような表情を見せてこう語った。2022年3月末時点で全国26店舗を展開している焼肉の和民で、4月19日にかけてメニューを順次切り替えていく。

平均で2割の値下げに

 「角切りハラミ」や「ロース」といった主力商品の価格を平均で2割下げる。多くの商品で量は減らさずに価格だけを下げ、看板商品の「ワタミカルビ」は増量した。価格を全品390円(税込みでは429円)以下とし、安さを前面に押し出す戦略で客数増を狙う。3月に日本マクドナルドやスターバックスコーヒージャパンが一部商品の値上げを発表するなど、外食や食品の値上げが相次ぐ「値上げの春」に、異例の値下げ敢行となった。

多くの商品で量を減らさずに価格を下げる
多くの商品で量を減らさずに価格を下げる

 「目指すのは『焼き肉業態のサイゼリヤ』だ」と意気込むのは焼肉営業本部長の新町洋忠執行役員。想定する客単価は従来の3300円から2500円に下がるというが、なぜワタミは戦略転換を迫られたのか。

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