スターバックスコーヒージャパンが、コーヒーなどの事前予約・決済が可能なモバイルオーダー&ペイ(MOP)の導入を加速させている。2019年6月に運用を開始。現在までに全国約1500店舗のうち東名阪を中心とした350店舗で導入されており、3月からはドライブスルーへの対応を見越した実証実験も始まる。MOPの導入加速によってスタバはどう変わるのか。デジタル戦略本部の濵野努本部長に聞いた。

スターバックスでは19年6月にMOPを導入しました。MOPは店舗運営にどのようなメリットをもたらしましたか。
濵野努氏(以下、濵野氏):これまで顧客へのリサーチで最も大きな不満として上がっていたのは、レジ前の長蛇の列に並ぶことでした。それが顧客満足度に大きなマイナスをもたらしていた。MOPの導入はこれを解消することが念頭にありました。

店舗での通常の注文では、レジと商品の受け渡しカウンターで2度も列に並ぶ必要があります。これでは商品を受け取れるまでの時間を読むことが難しい。例えば、ランチ後にコーヒーを注文したい顧客がいたとします。「午後の業務再開まで10分だけど間に合うだろうか」と思っているところに、店舗で列ができていたら来店してくれないですよね。これまでは、こうした見えない機会損失が多くあったと思います。
MOPを使えば、店舗での滞留時間は最短で30秒ほどに短縮できます。これならば、「レジに並ぶ時間がない」という方にも買ってもらえるようになります。MOPを使っている顧客は非利用者と比べて月間の来店頻度が2回ほど多くなっています。
客単価や売り上げにはどのような変化がありますか。
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