2021年4月から消費税を含む価格を商品に表示する「総額表示」が義務化される。外食各社が警戒するのは、総額表示によってメニューやウェブサイトに記載されている商品の価格が高くなったように見える恐れがある点だ。例えば、回転ずしチェーンのくら寿司は「1皿100円」を売りにしていたが、4月以降、看板の表示は順次「1皿100円(税込み110円)」に切り替える。回転ずしはコロナ禍でも好調を保ってきたが、「顧客のイメージは変わるかもしれない」(同社)と懸念する。 

 ユニクロは税抜き価格だった値札を、そのまま税込み価格とすることで約9.1%の値下げを実施した。しかし、コロナ禍で経営体力に余裕がない外食各社にはそれも難しい。同社の値下げとは逆に、総額表示の義務化に合わせて値上げをする企業もある。

 長崎ちゃんぽん店を運営するリンガーハットは3月1日、「硬貨の受け渡し低減」を理由に麺類メニューは最大で36円値上げするなど価格を改定し、麵増量無料サービスも2月末で終了させた。

 またモスバーガーを運営するモスフードサービスは6割の商品で2015年5月以来となる値上げを断行した。コロナ以前から顧客の6割を占めていたテークアウト客の比率が現在は7割となり、包装費が負担となったことを値上げの理由としている。

 だが、主力商品の「モスバーガー」などは値上げ幅が20~30円と比較的大きかったことから消費者の受け止めは厳しく「もともと安くないものがまた高くなったのか」とSNS(交流サイト)やネット掲示板では批判が続出。同社の既存店売上高は19カ月連続で前年同月を上回っているが、好調に水を差すことにもなりかねない。外食大手幹部は「コロナ禍で消費者が価格に敏感になっている時期。タイミングが最悪」と話す。

続きを読む 2/2 「本体価格(税込み価格)」で見せ方に工夫

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