コロナ禍が長期化する中、消費の「巣ごもり」傾向が定着化している。特に食品市場では、外出自粛で苦戦する飲食店向けの業務用商品から、家庭用商品へと大規模な需要シフトが起きている。さらに、先行きに対する不安なども反映し、消費者が店頭でなじみのあるブランドを選択する「定番回帰」の流れが強まっている。
大手4社がしのぎを削るビール市場で、その変化を捉えることに成功しているのがサッポロビールだ。定番の主力ビール「黒ラベル」の1~6月の販売数量は、業務用の落ち込みから前年同期比で77%と下がった。一方、家庭で飲まれる缶商品に限定すると、同107%と前年を上回った。他社の主力ビールの缶商品と比較しても、アサヒビールの「スーパードライ」が同93%、キリンビールの「一番搾り」は同102%で、黒ラベルの伸びが目立つ。さらに単月で見ると黒ラベルの缶は、6月は同125%、7月は同122%と大きく伸びている。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り2519文字 / 全文2932文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「令和時代の消費マーケティング・新潮流」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?