ビール大手4社の2020年上半期のビール類推定シェアで、キリンビールがアサヒビールを11年ぶりに抜き首位になった。巣ごもり消費の加速で、業務用に強いアサヒが苦戦。キリンは家庭用を伸ばした。ノンアルコール商品の拡大など、コロナ禍で酒類市場の構造転換が進みそうだ。

キリンが上半期で首位になるのは11年ぶり
キリンが上半期で首位になるのは11年ぶり

 7月10日、ビール大手4社が20年上半期(1~6月期)のビール類(発泡酒、第3のビールを含む)の販売動向を発表した。2019年通年の市場シェアで、首位のアサヒビールは36.9%。後を追うキリンビールが、同35.2%と肉薄していた。

 アサヒビールは「過剰なシェア争いをやめるため」(塩澤賢一社長)、20年からビール類の販売数量の開示を取りやめた。長年継続してきた、業界動向を把握する上で重要な基礎的な統計が失われることに業界の内外から批判が噴出。「勝ち逃げをするためではないか」との声まで上がった。

 本誌は上半期の各社の推定シェアを算出した。20年上半期の業界全体のビール類の販売数量は、流通への調査などから、前年同期比で約90%とビール大手各社は推定している。この数字から、アサヒを除く3社の上半期の販売数量(各社の開示データから本誌算出)を引くと、アサヒの販売数量の推定値が導ける。

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