米アマゾン・ドット・コムをはじめとするEC(電子商取引)の成長で、あらゆる小売業が岐路に立たされている。店に行かなくてもネット通販で必要なものが手に入る時代。店舗網や売り場を広げることで事業を拡大してきた小売業は今、店舗の役割は何かという難しい課題と対峙している。未来の小売業の姿を探る。(写真:PIXTA)
シリーズ
小売りの未来

74回
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Tシャツ、ジーンズ勤務もOK ニトリのIT開発“秘密基地”
ニトリホールディングス(HD)は都内の店舗にIT(情報技術)システムの開発拠点を開設した。情報システム部門の分社化によって柔軟な働き方を認め、より優秀なIT人材の確保に本腰を入れる。ニトリをはじめとするディスカウンターは…
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「棚が歩いてエレベーターに乗る」モノタロウの新ハイテク物流
工具通販大手のモノタロウが、国内で最大級となる物流施設を稼働させた。特徴的なのは、作業員の歩行を徹底的に排除したこと。自動搬送車(AGV)を導入し、棚がエレベーターに乗って、階をまたいで移動する。
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セブン&アイが手放した店舗を100億円改装 H2Oの勝算は
エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は5月、傘下の阪急阪神百貨店が総額約100億円をかけて、「神戸阪急」と「高槻阪急」を約20年ぶりに大規模改装すると発表した。もともとはセブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西…
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苦境の地方百貨店、救世主は東京のデパ地下 下り新幹線で弾丸配送
東京の人気デパ地下グルメを地方の百貨店でも売りたい――。そごう・西武が目をつけたのは最高時速320キロの秋田新幹線。トラックで7時間かかっていた輸送時間が半分となり、日持ちの短い食品などの商品が提供できるようになる。狙い…
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ファミマ、電動キックボードで「軒先ビジネス」本格展開
ファミリーマートは、電動キックボードなどのシェアリングサービスを提供する会社と資本業務提携契約を結んだ。今後、店頭を利用した電動キックボードの置き場を増やしていく。ファミリーマートには、集客効果を高め、ポートの「場所代」…
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ニトリのエディオン出資の意味 「家まるごと」でヤマダと総力戦
ニトリホールディングスが家電量販のエディオンへの出資を決めた。狙いの1つは家電の品ぞろえ強化。それだけでなく、エディオンが強みを持つ別の事業を強化する狙いもありそうだ。「家まるごと」を巡ってヤマダホールディングスとの総力…
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AOKI、カジュアル領域を3倍に 「在宅ワーク」需要を深掘り
紳士服大手のAOKIはカジュアルウエアの売上比率を大幅に引き上げる新戦略を発表した。累計販売着数が10万着を超える「パジャマスーツ」を筆頭に、カジュアル路線を強化。新戦略で「来店回数の増加」を目指す。
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セブン&アイVSイオン 10の視点で読み解く実力と将来性
大手小売業の2022年2月期決算が出そろった。象徴的だったのが、セブン&アイ・ホールディングスが11年ぶりに営業収益でイオンを抜いて首位となったことだ。収益向上に貢献したのが、米国で買収したコンビニ3位の「スピードウェイ…
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サントリー食品、オフィス自販機の「空きボタン」で軽食販売
サントリー食品インターナショナル(BF)は法人向け軽食販売サービスの「ボスマート」を本格展開する。スナック菓子や菓子パンなどの軽食を新たな商材として売り込み、縮小傾向にある自販機市場でのシェア拡大を狙う
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ライフが描く「スーパーマーケット4.0」 同質化競争を脱する道とは
スーパーの戦国時代の中で生き残るにはどうすればいいのか。答えを出そうとしている企業の一つがライフコーポレーションだ。「便利よりも楽しい」に振り切った旗艦店で、新しいスーパー像を模索している。
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ダイソー「3枚看板」で銀座デビュー、いざ世界的“大それた”存在へ
東京・銀座にダイソーが進出した。いわゆる100円ショップだけではない。300円中心の新ブランドを含む「3枚看板」での出店だ。どんな狙いがあるのか。
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買い物カートにお薦め品表示 客の行動変容促すトライアル流DX
スーパー業界は人手不足の解消や生産性向上の課題を抱えている。経営規模を問わず、DX(デジタルトランスフォーメーション)が一つの鍵だ。最も先端的な改革を進めているのが、福岡市に本社を置くトライアルホールディングスだ。
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まいばすけっと、首都圏×小型で攻勢 1000店築いたコンビニキラー
イオン傘下の小型スーパー、まいばすけっとは首都圏で集中出店を重ね、ついに1000店を達成した。1号店から16年ほど。コロナ禍でも開業ラッシュは止まらない。「スーパー空白地帯」はまだあるとみており、今後も「小型×首都圏」で…
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店内にカフェ フードロス対策で一石三鳥、宮城のウジエスーパー
スーパーの競争軸の一つに当然、青果など生鮮品の品ぞろえがある。地域の特色を出し、さらに全国から商品を仕入れて魅力を高めたい地方の企業は多い。そのとき付いて回るのがフードロス問題。
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イオンに負けて見つけた スーパーモールラッキーの御用聞き戦略
地方のスーパーが生き残るためには何が大切なのか。秋田のスーパーモールラッキーは、かつて大手に価格競争で負けた経験から、来店を習慣にしてもらうような仕掛けづくりに腐心した。価格ではない付加価値型経営を目指すスーパーには一つ…
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えっ、ナポリタン98円? 激安戦略で大手スーパー蹴散らすラ・ムー
「食」は日常の暮らしに欠かせず、スーパー業界の競争においては当然、価格の違いが重要になる。そう考えると、仕入れの力に勝る大手がどこまでいっても優位だと思われがちだ。だが、そうとも限らない。
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東京ドーム3つ分 鹿児島の巨大スーパー、A-Zの「利益第二主義」
資本力のある大手が再編を主導する中で、中堅・中小スーパーはどう生き残るのか。激戦を生き抜くには、地域に密着した付加価値の高い経営を目指す必要がある。
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群雄割拠のスーパー イオンも必死、対抗軸はセブン連合か独立同盟か
人口減少によって今後約40年で日本の“胃袋”は11兆円分縮む見込みだ。最大手のイオンですら生き残りに向けて規模拡大のメリットを追求、同社主導で合従連衡が加速していく。出店地域が重ならない企業の同盟も進み、食うか食われるか…
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スーパー、止まらぬ再編 オーケーの野心くすぶる激戦・関西
スーパー業界の再編が激しくなっている。目立つのは、大手同士が激突する構図だ。関西スーパーを巡る買収合戦が記憶に新しい関西では、オーケーが今も虎視眈々(たんたん)と進出を狙う。
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西友で「楽天ポイント」大攻勢始まる、食品スーパー首位への野望
西友が本格的に「楽天経済圏」に加わる。楽天ポイントを導入し、新たなアプリも投入。楽天グループの会員基盤を生かし、デジタルマーケティングやネットスーパーを強化する方針だ。狙うは「食品スーパー首位」の座。どんな構想を描いてい…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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