売上高5144億ドル(56兆2570億円、2019年1月期)、従業員数220万超。世界最大の小売企業である米ウォルマートの業績が好調だ。けん引役は米国でのEC(電子商取引)事業。19年8~10月期は売上高が前年同期比4割増となり、株価は19年11月、上場来高値を更新した。米アマゾン・ドット・コムをはじめとするEC企業の成長でやられっぱなしだった小売業だが、世界で1万以上の店舗を持つ小売りの巨人が、アマゾン対抗の解を見つけつつある。

 日経ビジネス1月20日号ではウォルマートの事例から小売業の未来を考える特集記事を掲載する。それに先立って、先日取材で訪れた米国におけるウォルマートの現状をリポートしたい。今回は同社のEC事業をけん引する「オンライン・グローサリー・ピックアップ(OGP)」の現場を取り上げる。

 2019年12月初旬、米国南部アーカンソー州にある食品スーパー「ウォルマート ネイバーフッドマーケット」を訪ねた。ウォルマート本社から車で20分ほどの町、ピー・リッジにある店舗だ。午前10時頃の店内は、買い物をする人はまばらだったが、ロゴの入ったベストを着た複数の店員たちが、青いボックスを8つ乗せたカートを押しながら、棚から商品を取り、次々とボックスに入れていた。

(写真:Maki Suzuki)
(写真:Maki Suzuki)

 これは、ウォルマートのEC事業の成長をけん引している「オンライン・グローサリー・ピックアップ(OGP)」向けの作業だ。OGPは、ネットで注文して店で受け取るサービス。客はあらかじめ専用アプリで取りに行く店を選び、どの時間帯に行くかを選択。通常のECと同じように、アプリ内で牛乳や野菜など商品を選んで会計をしておく。指定した時間帯になり、車を店のピックアップ専用の駐車スペースに止めると店員がトランクまで持ってきてくれる仕組みだ。

(写真:Maki Suzuki)
(写真:Maki Suzuki)
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