「カインズと東急ハンズはパートナーへ」――。

 2021年12月22日、東京・六本木で開かれた「緊急」記者会見はこう銘打たれていた。ホームセンター最大手のカインズが、生活雑貨の東急ハンズ(東京・新宿)を傘下に収め、グループに迎える。その発表を受けての会見である。

 カインズは22年3月31日付で東急不動産ホールディングス(HD)から、東急ハンズの発行済み全株式を取得する。普通に解釈すると「M&A(合併・買収)により、カインズが東急ハンズを完全子会社化する」ということになる。しかし、この日の会見は、事業戦略発表会の趣で進行した。

 タイトルは「カインズ・東急ハンズによる『新たなDIY文化の共創に向けて』記者発表会」。カインズの高家正行社長CEO(最高経営責任者)と、東急ハンズの木村成一社長がそれぞれ登壇し、質疑応答を挟んで、最後は横並びでフォトセッションに臨んだ。

フォトセッションに臨むカインズの高家社長CEO(左)と東急ハンズの木村成一社長
フォトセッションに臨むカインズの高家社長CEO(左)と東急ハンズの木村成一社長

 「今回の話はM&Aというよりも、東急ハンズさんを新たなパートナーとして迎え入れたと思っている」(高家氏)。「東急ハンズは、これからカインズさんと共にお客様へ新しい価値を提供していく」(木村氏)。互いを尊重し合う姿勢は、確かにパートナーのように見える。両社は、なぜ手を組んだのか。

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