セブン&アイ・ホールディングス(HD)が売却を進めていた百貨店子会社そごう・西武の買い手が決まった。ゴルフ場最大手のアコーディア・ゴルフ・グループや不動産会社のレオパレス21など不動産関連の投資実績が豊富な米フォートレス・インベストメント・グループだ。年初に複数の投資ファンドが参加する売却手続きが始まり、優先交渉権が決まった後も数カ月の交渉が続くなど長期のプロセスを経ての決着となった。3期連続の赤字に苦しむそごう・西武をどう再生するのか。フォートレスの山下明男在日代表が日経ビジネスのインタビューに応じた。
フォートレスはレオパレス21やアコーディアなど不動産を中心に投資しています。そごう・西武に関心を持った経緯を教えてください。
米フォートレス・インベストメント・グループの山下明男在日代表:不動産の中でも、我々が手掛けるものは、(単に保有するだけで利益を得られるものではなく)ホテルなどオペレーション色が強くなっています。人に任せるのではなく、自分たちで運営をしています。
共通する特徴は「再生型」という点です。「界壁問題」(建築基準法に適合しない施工不良問題)が起きて非常に厳しい状況になっていたレオパレス21に資本を注入しました。別の投資先である賃貸住宅管理のビレッジハウス・マネジメント(東京・港)と一緒にリーシングをしたり、コスト削減をしたりしたことで、債務超過を解消できました。
![山下明男[やました・あきお]](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/gen/19/00096/111800097/p1.jpg?__scale=w:500,h:333&_sh=0f402d0500)
不動産と再生型という2つのキーワードの中で、そごう・西武はどのような位置づけでしょうか。
山下氏:そごう・西武は日本を代表する百貨店グループとして歴史があります。一方、百貨店業界はEC(電子商取引)の普及に新型コロナウイルス禍が加わり、外部環境は非常に厳しくなっています。そごう・西武も例外ではありません。歴史もノウハウもお持ちですが、自助努力だけではどうしようもないほどの大きな社会の変化が起きています。
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