10月29日に開いた臨時株主総会で、エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)傘下の食品スーパー2社と経営統合することが決まった関西スーパーマーケット。11月1日の東京株式市場で関西スーパーマーケット株はストップ安の売り気配のまま値が付かなかった。3分の2の賛成が必要な議案を、「66.68%」というわずか0.01ポイントほど上回った票数で可決した株主総会から見えてきたものとは。

関西スーパーは10月29日に臨時株主総会を開いた
関西スーパーは10月29日に臨時株主総会を開いた

 異例の幕開けだった。議長として議案説明に入ろうとする関西スーパーマーケットの福谷耕治社長を遮り、個人株主が切々と訴えたのだ。

 「今日は関西スーパーにとって非常に大きな経営判断を行う日だと思っております。株主の疑問や疑念に最後まで、尽きるまで、答え続けると約束してください。そして、もし約束ができないようでしたら、大変残念ですが、議長解任動議も考えております」

 10月29日、兵庫県伊丹市のホテル。関西スーパーはH2O傘下のスーパー2社(イズミヤ、阪急オアシス)との経営統合について賛否を諮る臨時株主総会を開いた。H2Oは関西スーパーの筆頭株主である。これに対し、3位株主で首都圏にディスカウントスーパーを展開するオーケー(横浜市)が異を唱え、関西スーパーをTOB(株式公開買い付け)によって完全子会社化する方針を表明していた(関連記事:H2Oかオーケーか 関西スーパー争奪戦で知りたい10のこと)。

 H2Oとの統合を目指す関西スーパー経営陣に対し、オーケー案を支持する株主は「全面対決」も辞さない姿勢で総会に臨んだ。この日、会場に足を運んだ株主は147人。郵送、インターネットで事前に議決権を行使した株主を含めると、総会の出席者は計3859人だった。大多数が前日までに投票を終えていたにもかかわらず、事前集計で賛否の決着はつかなかった。命運は未投票の出席者に託された。

 統合案は、出席株主が持つ議決権の3分の2(66.66…%)以上の賛成で可決されるが、蓋を開けると賛成票は66.68%。わずか0.01ポイントほど上回るだけの「大接戦」で、関西スーパーのH2Oグループ入りが決まった。なぜ、ここまでもつれたのか。この日の総会の紛糾ぶりが、その理由を物語っていた。

「正気の沙汰じゃない」に拍手

 午前10時に始まった総会は、換気するための途中休憩を挟み、採決に入るまでに3時間40分を要した。株主からの痛烈な質問が途切れることなく続いたからだ。

 特に多かったのは、関西スーパーがH2Oの傘下に入る必要があるのか、という「そもそも論」の問いかけだ。ある株主がイズミヤ、阪急オアシスの自己資本比率が極めて低いことを挙げ、「(自己資本比率が60%を超える)大変優良な関西スーパーが、なぜこんな倒産しかけの、ぼろぼろの会社と統合しないといけないのか」「株主の皆さん、関西スーパーの経営陣は正気の沙汰ではありませんよ。今なら間に合います。考え直してください」と迫ると、「そうだ、そうだ、考えろ」と拍手が沸き起こった。