セブン&アイ・ホールディングス(HD)が2023年2月期の上期決算発表後、苦戦するスーパーストア事業の同社グループ内における存在意義を強調している。ハロウィーン商戦では、国内コンビニ事業を担うセブン-イレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂の連携開始を発表した。YouTubeの自社チャンネルでは、グループ戦略の解説動画を日英2言語で公開。スーパー事業を絡めたシナジー効果の説明に多くの時間を充てた。グループの営業利益は国内外のコンビニ事業が多くを占める。スーパー事業に厳しい目を向ける投資家への説明に迫られている。

 10月13日、東京・千代田のセブン&アイHD本社で開かれた記者会見場に、ハロウィーン商戦に向けてつくったかぼちゃのスイーツや総菜など数十点の商品が並んだ。目立つ位置に並べてあったのは「7」をかたどるセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)のロゴマークと、イトーヨーカ堂(IY)のハトのロゴマークだった。

セブン-イレブンとイトーヨーカドーのハロウィーン合同フェアの商品(写真=都築雅人)
セブン-イレブンとイトーヨーカドーのハロウィーン合同フェアの商品(写真=都築雅人)

 セブン&アイHD傘下の2社は今夏、両社の強みを生かした連携強化策を練る「SEJ・IY・パートナーシップ」を立ち上げ、ハロウィーン商戦の合同フェア「#めちゃハピハロウィン」が本格的な施策の第1弾となった。互いにスイーツなどの人気商品を供給したり、アプリを介してクーポンを発行したりする。これまで別々につくっていたテレビコマーシャルの素材も統一し、販促費の削減を図る。

 「イトーヨーカ堂は内食向けの半調理ミールキットなど、セブンにはない商品開発のノウハウを持っている」。そう語ったのはセブン-イレブン・ジャパンの木村成樹取締役だ。一方のイトーヨーカ堂側もセブンと連携することによるスケールメリットを強調。イトーヨーカ堂の河田靖彦取締役も「セブンの販売力を背景に、仕入れ構造や製造コストを見直していきたい」と語った。23年にも2回の合同フェアを計画しているという。

会見に臨んだセブン-イレブン・ジャパンの木村成樹専務執行役員(左)とイトーヨーカ堂の河田靖彦常務執行役員(写真=都築雅人)
会見に臨んだセブン-イレブン・ジャパンの木村成樹専務執行役員(左)とイトーヨーカ堂の河田靖彦常務執行役員(写真=都築雅人)

グループとしては絶好調だが

 こうした取り組みの背景には、グループ内でスーパー事業が苦戦していることがありそうだ。

 セブン&アイHD自体は絶好調だ。同社が発表した22年3~8月期決算によると、営業収益は前年同期比55%増の5兆6515億円、営業利益は26%増の2347億円、純利益は28%増の1360億円だった。為替変動により海外コンビニ事業の円建て収益が押し上げられたことが主な要因だ。23年2月期の連結業績予想も上方修正し、営業収益を従来予想から1兆2330億円引き上げ、11兆6460億円とした。売上高、利益ともに過去最高を見込んでいる。

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