ニトリホールディングス(HD)の2022年3~8月期決算は増収減益となり、36期増収増益の目標に黄信号がともっている。決算会見で似鳥昭雄会長は「今のところ目標に届かず、大変申し訳ない」と語った。為替契約を短期に切り替えていたことが裏目に出たとして「人生で初めての失敗。経営は長期でやらないといけない」と反省の弁を述べた。

 「今のところ目標に届かず、大変申し訳ない。心より皆さんにおわびしたい。全社員努力するので、見放さず、ご指導ご鞭撻(べんたつ)よろしくお願いします」

 22年9月30日に開かれた決算会見で、似鳥昭雄会長は機関投資家やアナリストを前にこう述べた。

ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長(写真は2022年4月のニトリデジタルベース設立会見)
ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長(写真は2022年4月のニトリデジタルベース設立会見)

 ニトリHDはこれまで35期増収増益を続けており、23年3月期も増収増益の業績予想を立てている(決算期変更のため、13カ月11日の変則決算)。しかし22年3~8月の6カ月累計では、売上高こそ前年同期比2.1%増の4230億円となったものの、営業利益は同10.9%減の690億円、最終利益は同4.5%減の514億円にとどまった。

悪化した星取表

 ニトリHDは決算会見資料で、22の主要経営効率について、目標に達したかどうかを星取表で分かりやすく示している。20年3~8月期は19勝3敗だったが、21年3~8月期は18勝4敗となり、22年3~8月期は14勝8敗とさらに悪化した。

 新たに22年3~8月期に黒星に転じたのは、総資本経常利益率(目標7.5%以上のところが実際は7.1%)、自己資本当期純利益率(目標7.5%以上のところ6.8%)、総売上高増加率(目標10%以上のところ2.1%)、坪あたり在庫高(目標9万円以下のところ9万2000円)の4指標。成長が鈍化し、収益力が落ちている。

 既存店ベースの客数は20年3~8月期、新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要で前年同期比115.9%と大幅に増加した。その反動で21年3~8月期は同88.1%と落ち込み、この22年3~8月期も同96.1%と下げ止まらない。

 「家具を15万円以上購入すると、今お使いの家具を無料で引き取るサービスなどが好評で、客単価は上がっている」(武田政則グローバル商品本部長)ものの、既存店ベースの売上高は前年同期比98.5%。42店舗にも上る新規出店やEC(電子商取引)事業の伸びで、どうにか増収を確保している状況だ。

2023年3月期は東京都内最大級の目黒通り店(目黒区)をはじめ国内100店、海外38店を出店
2023年3月期は東京都内最大級の目黒通り店(目黒区)をはじめ国内100店、海外38店を出店

 一方の収益力は、原材料価格の高騰、想定外の円安、貿易費用の高騰、店舗運営に必要な光熱費の増加という逆風によって低下している。前年同期比では、経常利益ベースで為替影響により71億円、貿易費用などにより64億円のマイナス要因となった。

 ニトリは原材料をさまざまな国から調達し、中国や東南アジアの工場で生産。それを日本に輸入して販売するビジネスモデルだ。原材料調達、生産、物流のいずれも円安の影響を受ける。

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