関西スーパーマーケットの買収に名乗りを上げ、一躍注目企業となったオーケー(横浜市)。関東で出店を重ね、売上高は5000億円を超える。2016年に創業者の飯田勧氏から社長を任されたのが三菱商事出身の二宮涼太郎氏だ。創業者がつくり上げた特徴ある企業をどのように受け継いで経営をしているのか。二宮社長に聞いた。

(聞き手は酒井大輔)

2021年、関西スーパーマーケットの買収を巡る争奪戦は、全国的に大きな注目を集めました。

二宮涼太郎オーケー社長(以下、二宮氏):すごかったですよね。臨時株主総会の会場は、まるでスキャンダル会見のように紛糾し、びっくりしました。少し顔がこわばりましたね、あのときは。

結果は阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)に僅差で敗れ、関西スーパーはH2O傘下のスーパー2社と統合しました。関西では阪急ブランドが強く、オーケーを警戒する反応が多かった印象です。

二宮氏:当たり前ですが、お店がない地域だと、全然知られてないんだなと改めて思いました。関東ではここ最近、いろいろと取り上げていただける機会が増えましたが、それでも自分の家の近くにお店がないと、いまだに「オーケーってどんなスーパーなの?」と、ご存じない方が非常に多いです。

二宮涼太郎(にのみや・りょうたろう)氏
二宮涼太郎(にのみや・りょうたろう)氏
1974年生まれ。神奈川県出身。97年東京大学文学部卒業後、三菱商事入社。2008年同社米国子会社に出向。三菱商事リスクマネジメント部を経て、15年6月にオーケーへ出向し、経営企画室長。16年1月に執行役員30%成長戦略室長兼店舗開発本部長。同年6月から現職。(写真:古立 康三)

一度開けたら店を閉めない

関東では精力的に新規出店を重ねています。目標は毎年10店舗ということでしたが。

二宮氏:ここ数年、5~6店舗と、なかなか2桁に届かず、反省しきりです。今期はもうちょっと増やせるかなと思います。

 基本的には人口密集地に店を出したいという思いを持っています。具体的には1都3県を環状に走る国道16号線の内側ですね。そこを見渡せば、まだまだ欠けているエリアはたくさんあります。22年3月には浅草店をオープンしました。24年春には日本橋久松町に出店します。当然、賃料は高くなりますが、しっかりとした売り上げが確保できるのであれば、都心にも積極的に店を広げていきたい。

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