ディスカウントスーパー「オーケー」の出店予定地(右)。その向かい側でも、マンションの建設が始まっている
ディスカウントスーパー「オーケー」の出店予定地(右)。その向かい側でも、マンションの建設が始まっている

 間もなく創立150周年を迎える都内屈指の伝統校、久松小学校(東京・中央)。その目と鼻の先に、大きなクレーンが姿を現した。

 東京都中央区日本橋久松町。町名に日本橋を含む「日本橋エリア」の東側に位置し、東京駅まで2キロメートル圏内。多数の鉄道駅に囲まれた都心のオフィス街に、ディスカウントスーパーの雄が出店を決めた。オーケー(横浜市)だ。

 現場は既に更地となり、囲いが施されている。掲示物を見ると、建築主はJR西日本不動産開発(大阪市)とあった。2024年春、この場所には地下1階、地上11階建ての「日本橋久松町NKビル」が開業する。

 3階以上が1DK~3LDKの賃貸マンションで、1、2階に「オーケー日本橋久松町店(仮称)」が入る予定だ。地下1階は作業場として活用し、駐車場は設置しない方向と言う。

クレーンが姿を現した工事現場。賃貸マンションの1、2階がオーケーの店舗になる
クレーンが姿を現した工事現場。賃貸マンションの1、2階がオーケーの店舗になる

 1都3県に130店舗以上を展開するオーケーは、未上場企業ながら売上高は5236億円(22年3月期)。食品スーパーとして大手の一角に食い込むほど躍進している。

 とりわけ支持されているのは、ナショナルブランド(NB)と呼ばれるメーカー商品の安さだ。毎日安売り(エブリデー・ロープライス)を掲げ、競合店より高い商品があれば「対抗値下げ」も辞さない。消費者の節約志向を取り込み、店舗網を拡大している。

 オーケーは一度開店したら、店を閉めないことで知られている。実際、1982年以降に開いた店舗で閉店したのは、老朽化した1店舗のみ。それだけに、投資を回収できる場所かどうかを慎重に見極めた上で出店している。「勝機あり」と判断したからこそ、日本橋への進出を決めたのだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1694文字 / 全文2391文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「小売りの未来」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。