ニトリホールディングス(HD)は都内の店舗にIT(情報技術)システムの開発拠点を開設した。情報システム部門の分社化によって柔軟な働き方を認め、より優秀なIT人材の確保に本腰を入れる。ニトリをはじめとするディスカウンターはコスト管理や生産性の向上を目指し、情報システムの内製化に注力。その先には、システムの外販を見据えている。

 ニトリホールディングス(HD)が4月末にオープンした都内最大級の店舗「目黒通り店」。JR山手線や地下鉄の目黒駅からバスで約5分の場所にある巨大な店舗は、外観を見る限り6階建て。しかし店内に入ると、売り場は2~4階の3フロアしかない(1階は駐車場)。実は、5階と6階がニトリグループの将来を占う“秘密基地”になっているのだ。

ニトリ目黒通り店は幹線道路の目黒通りに面する大型店。上の2フロアがオフィスになっている
ニトリ目黒通り店は幹線道路の目黒通りに面する大型店。上の2フロアがオフィスになっている

 店舗の入り口とは別の小さな玄関からエレベーターで6階に上がると、「NITORI DIGITAL BASE(ニトリデジタルベース)」という大きな看板が来訪者を出迎える。ニトリHDは4月1日に同名の子会社を設立。約350人が在籍する情報システム部門を新会社に移管した。ニトリHDの似鳥昭雄会長兼最高経営責任者(CEO)は「デジタルの基地、というのは私が考えた造語」と話す。

「NITORI DIGITAL BASE」の入り口
「NITORI DIGITAL BASE」の入り口

 一般的に情報システム部門は企業のコストセンターとされている。しかし、ニトリデジタルベースは経費削減を目的に分社化したのではない。むしろ逆だ。「ニトリHDの大卒初任給は小売業の平均より高い約25万円だが、デジタルベースはさらに1万円高い26万円にする」と似鳥氏は説明する。

左から佐藤昌久CIO(最高情報責任者)、似鳥昭雄会長兼CEO、白井俊之社長兼COO(最高執行責任者)
左から佐藤昌久CIO(最高情報責任者)、似鳥昭雄会長兼CEO、白井俊之社長兼COO(最高執行責任者)

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