紳士服大手のAOKIはカジュアルウエアの売上比率を大幅に引き上げる新戦略を発表した。2020年11月の発売から22年3月までの累計販売着数が10万着を超えたヒット商品「パジャマスーツ」を筆頭に、カジュアル路線を強化する。販売方針の転換は、「ユニクロ」などこれまで直接の競合ではなかった企業との真っ向勝負も想定される。AOKIが目指す差別化戦略とは。

パジャマスーツを着たモデルたち。真ん中がAOKIホールディングスの青木彰宏社長
パジャマスーツを着たモデルたち。真ん中がAOKIホールディングスの青木彰宏社長

 「新戦略で最も強化、拡大するのはパジャマスーツだ」――。

 4月21日、AOKIホールディングスの青木彰宏社長は新戦略としてカジュアル領域の拡大を発表した。今後3年をめどにカジュアルウエアを現状の3倍以上に拡大する。売り上げ構成の7割を占めていたビジネス領域を、4割に抑えるという販売方針の大転換だ。今後はビジネス領域を中核としつつ、カジュアル領域を3割に高める。残る3割はレディース領域が占める商品ラインアップになるという。

 カジュアル領域の柱となるのは20年11月に発売した「パジャマスーツ」。パジャマの「リラックス感」とスーツの「きちんと感」を兼ね備えた商品だ。高いストレッチ性や自宅で洗濯できる利便性で人気を集めている。通常、スーツは年間1万着売れればヒットといわれるが、パジャマスーツは22年3月時点で累計販売着数は10万着超。テレワークの仕事着として異例のセールスを記録した。

多様なラインアップで利用シーン拡大

 パジャマスーツは新型コロナウイルス下で在宅勤務が増え、「きちんとしないといけないけど、家ではかっちりしたスーツを着たくない」というニーズをいち早くキャッチして開発した商品。22年春夏シーズンはメンズの新デザインを展開するほか、レディースのラインアップは前年の10倍以上に拡大し、知名度向上を図る。

 「来店客などにヒアリングする限り、今後はオフィスと在宅のハイブリッドな働き方が続く」と青木社長は予想。ポストコロナ時代にも需要は続くとみている。拡大したラインアップでは、在宅勤務時以外にも、散歩や休日のおでかけを想定した商品もあり、日常生活で幅広く利用できるカジュアルウエアとして消費者に訴求する。

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