サントリー食品インターナショナル(BF)は法人向け軽食販売サービスの「ボスマート」を本格展開する。スナック菓子や菓子パンなどの軽食を新たな商材として売り込み、低迷する自動販売機事業の底上げを狙う。自販機での飲料販売は市場の縮小が続き、中でもオフィスに設置された自販機にはリモートワークの浸透が追い打ちをかける。利便性や購入動機の創出によって利用を拡大するのが狙いだ。

ボスマートは棚に陳列された軽食を取って、支払いは自販機のボタンで行う仕組み
ボスマートは棚に陳列された軽食を取って、支払いは自販機のボタンで行う仕組み

 オフィスや工場などに設置している自販機ボタンの「余り」をセルフレジとして活用し、他の食品メーカーの商品を販売する。例えば3月30日の説明会場に設置されていた自動販売機では最下段の1列、10個のボタンが全てボスマート用。ボタンの上には、スナック菓子、カップ麺、菓子パンなどのパッケージの写真が並んでいた。

 こうしたサービス分野には、江崎グリコ子会社のグリコチャネルクリエイト(大阪市)が展開するオフィス向け置き菓子サービス「オフィスグリコ」や大手コンビニチェーンが展開する自販機コンビニなどの先駆者がいる。ボスマートの差別化のポイントとして挙げられるのは「価格設定の柔軟性」「新たな機器の設置が不要」といった利点だ。

自販機をそのまま使える利点

 まずは価格設定について。ボスマートは10円単位で商品の価格を設定できることが特徴だ。説明会場にあったボスマートの商品価格は100円から190円まで幅広く設定されていた。これは自販機ならではの利点の1つに挙げられるだろう。例えば、オフィスグリコはQRコード決済も可能だが、現金決済の場合は「カエル型の貯金箱」に硬貨を入れる仕組みで、釣り銭の用意はない。そのためか商品の価格は100円、150円、200円と切りのいい数値に設定されている。

スナック菓子からカップ麺、菓子パンまで幅広い商品を用意できる
スナック菓子からカップ麺、菓子パンまで幅広い商品を用意できる

 ボスマートの商品自体を自販機の中には入れられないため、それらの置き場所は必要だが、決済を既存の自販機で処理できるため、新たに機器を設置したり、決済用のQRコードを掲示したりする必要はない。「貯金箱」のようなものを置く仕組みに比べれば現金盗難のリスクも低い。そのために企業側の導入の負担が少ないこともボスマートの利点という。

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