スーパーの競争軸の一つに当然、青果など生鮮品の品ぞろえがある。地域の特色を出し、さらに全国から商品を仕入れて魅力を高めたい地方の企業は多い。そのとき付いて回るのがフードロス問題。宮城県のスーパーが事業をうまく進めるアイデアを形にし始めている。

宮城県のウジエスーパーが店内に開いたカフェ。その狙いとは。
宮城県のウジエスーパーが店内に開いたカフェ。その狙いとは。

 宮城県登米市に本社を置き、同県で32店舗を営むウジエスーパー。ある店舗の中に開いたカフェで、21年9月から一風変わったスムージーを売っている。フードロス対策として売り出したところ、エシカル消費の流れもあって集客にプラスの効果を生んだ。

 その店舗は吉岡店(同県大和町)。スムージーを始めたきっかけは大手スーパーとの差別化を図るためだ。

 「差別化のためには、スーパーに並べる季節商品を手厚く扱うなど工夫をしたい。そうすると、どうしてもフードロスが発生してしまう悩みがあった」。そう話すのは氏家良太郎常務だ。利益率の低いスーパーにとって、廃棄は大敵になる。

 そこでスムージーを作ることにした。認知度が上がるよう、食材をカップの上に乗せる大胆な売り方を考え出した。例えばサツマイモのスムージーではカップの上に焼き芋がまるまる乗っている。ネーミングもミカンであれば「おとんおかんみかん」、イチゴであれば「いち姫ご太郎」とダジャレのきいた名前にするなど、手に取ってもらう工夫を凝らした。

カップの上に食材をどんと載せ、インパクトを持たせた
カップの上に食材をどんと載せ、インパクトを持たせた

 氏家常務は「フードロス削減を全面に押し出すような優等生感あるようなものではなく、顧客が楽しんで積極的に買ってくれるような商品にしたかった。集客力を上げる狙いもあった」と話す。実際に売り始めると、吉岡店の青果売場の廃棄率は2割減少した。

 さらにスムージーをきっかけに果物を買う人が現れた。氏家常務は「スムージーが素材の良さを広めてくれている」と語る。結果、吉岡店全体の売り上げは2割増加した。見事に廃棄率低下、集客と青果販売額の増加という一石三鳥を実現させた。

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