「そごう・西武の売却を完了し、イトーヨーカ堂の売却もしくは分離による食品を中心とした小売事業への迅速な事業再編を発表すること」
「物言う株主」として知られる米投資会社バリューアクト・キャピタルが2月8日(日本時間9日)、セブン&アイ・ホールディングス(HD)に事業構造の改革を求める公開書簡を再び送った。セブン&アイHDの株式を4.4%保有するバリューアクトは、1月26日にも社外取締役のみで構成する「戦略検討委員会」を組成することなどを要求する書簡を送り、公開していた。

「セブン&アイHDを変革してグローバル・チャンピオンのセブン-イレブンへ」。こう題したバリューアクトのプレゼンテーション資料は75ページにも及ぶ。バリューアクトが提案する改革を実行すれば「長期・安定的に企業価値を高め、株価を2倍以上にできる」と主張する。その実現のために、営業利益の大半を占めるコンビニ事業に集中する事業戦略の発表や、苦戦する非中核事業の徹底した改革をセブン&アイHDに要求した。
改革の具体策として示したのが、そごう・西武の売却完了と、総合スーパー・イトーヨーカ堂の売却もしくは分離を発表することだった。資料の中ではイトーヨーカ堂について「非食品分野で大きな損失が生まれている」と指摘した。
さらに企業価値を最大化するためにその他の非中核事業も切り離し、コンビニ事業での世界的な成長を目指すロードマップを打ち出す必要性を示した。計画の実効性を担保するため、バリューアクトは経営体制の改革も要求。社外取締役の数を過半にするよう主張している。
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