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 西友と楽天は1月16日、「楽天西友ネットスーパー」向けの専用物流センターを横浜市に新設すると発表した。2020年秋に稼働する予定。同ネットスーパーの専用センターは千葉県柏市の拠点に次ぎ2カ所目となる。18年10月に本格稼働したネットスーパーの利用数は大きく伸びており、時間帯や地域によっては注文できない場合もあるという。「需要は大きい」(楽天の小森紀昭執行役員)とみて投資する。

秋に稼働する予定の「楽天西友ネットスーパー」向けの専用物流センター(横浜市)

 西友と楽天は18年4月、共同出資で楽天西友ネットスーパーを立ち上げ、同年10月に「楽天西友ネットスーパー」をオープンした。同ネットスーパーは、ECで注文が入った商品を、西友の店舗で集めて配送するだけでなく、千葉県柏市の専用物流センターからも出荷している。売上高は非開示だが、19年10月25日~12月31日の期間の利用数は前年同期比で3割増えたという。

生鮮品の温度管理に驚き

 「商品力と信頼、低価格という強みを持つ西友と、ウェブで受注するノウハウを持った楽天が組んだこと」。西友の竹田珠恵執行役員と楽天の小森氏は好調の理由についてこう口をそろえる。その分析からは、いずれかの強みだけではうまくいかないネットスーパーという事業の特性がうかがえる。

 特に両社が組んだ強みが生かされているのが生鮮品だという。消費者にとってネットスーパーを利用する上で、心理的なハードルとなるのが、生鮮品の購入だ。どの商品を買っても品質にほとんど変わりはない加工食品と異なり、生鮮品はどうしても品質にばらつきが出る。

 「生鮮品を仕入れる力、安全基準、管理方法などのノウハウがすごい」。楽天の小森氏は、西友がこれまでの店舗運営で蓄積してきた知見に驚いたという。例えば野菜の保管。温度帯が5~6種類、「夏は野菜を冷やすが、葉物は冷やし過ぎない」(竹田氏)など、季節によって同じ野菜でもどの温度帯で管理するか異なる。さらに「同じ葉物でもほうれん草とレタスでは異なり、梱包も季節によって変える」(竹田氏)というきめ細かさだ。店舗を運営する西友としては当たり前の生鮮品の扱い方だが、楽天にはないものだった。

西友の竹田珠恵執行役員(左)と楽天の小森紀昭執行役員