苦境が続く百貨店業界だが、かつてあれほど人々が押し寄せたのはなぜなのか。経済産業省の「百貨店研究会」で座長を務めた伊藤元重・東京大学名誉教授は「スターバックスコーヒー」に人々が来店する理由に例えて説明する。少子高齢化や人口減少が続く地方でこれからの百貨店はどうあるべきかを聞いた。
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![伊藤元重 [いとう・もとしげ] 氏](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/gen/19/00096/011200107/p1.jpg?__scale=w:500,h:333&_sh=0a90520240)
百貨店業界は縮小が止まりません。社会機能として不要になってしまったのでしょうか。
伊藤元重・東大名誉教授(以下、伊藤氏):「百貨」という名の通り、百貨店は様々な商品を扱ってきました。昨今は量販店や専門店の台頭で、陳列する商品は高級品や贈答品などに限られています。ただ「百貨店は不要なのか」といえば、そうではない。今後、期待されるのは街の中心部のにぎわいを生み出す役割です。

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