コストパフォーマンスならぬ「タイムパフォーマンス(タイパ=時間対効果)」を重視する価値観が台頭している。タイパ時代に取るべき戦略を探る本シリーズ。冷凍総菜の宅配サービスを手掛ける新興企業を紹介した第1回に続き、今回は消費者の変化にいち早く気付いた企業の取り組みから秘訣を探っていく。

 「2020年度の累計会員数が前年度から84万人増えて約194万人になった」。リクルートのプロダクト統括本部でオンライン学習サービス「スタディサプリ」の中学講座コンテンツ責任者を務める青山倫子氏は、同サービスの好調ぶりに笑顔を見せる。

 会員数の拡大はコロナ禍で在宅学習が増えた影響も大きいが、動画の作り方を変えたことが定着した理由の一つだと青山氏は分析する。「今はユーチューブなどで短時間の動画を次々に見るのが習慣になっている中学生も多い。受験向けの講座は別だが、基礎的な講座は長さを5~6分にし、学ぶポイントも1本につき1~2個に絞り込むことを原則にした」(同氏)

リクルートは「スタディサプリ」の中学講座の動画を5~6分程度で収まるようにしている
リクルートは「スタディサプリ」の中学講座の動画を5~6分程度で収まるようにしている

 もともと「受験サプリ」という名称で12年に始めた当初は、50分程度の動画を見てもらう形式だった。有料会員数が伸び悩む中でリクルートは、利用者のコンテンツ消費形態が変わっていることに着目。動画をなるべく短時間にしていった。中学生向けの動画の多くを5~6分程度にしたほか、高校生向けも10~30分程度と短くした。通学時間や授業の合間などのちょっとした時間にも見られることがヒットにつながったとリクルートはみている。

 中学生の理科を担当する講師の佐川大三氏は「10分集中して勉強したら10分休憩するといった細切れで勉強する生徒が増えている」と勉強スタイルの変化を指摘する。スタディサプリでは倍速視聴機能を利用しているユーザーも6割に上るという。

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